エリザベス女王杯はなぜか、オールカマー、京都大賞典で牡馬に揉まれた馬の成績が悪いという。かつてはクイーンスプマンテやテイエムプリキュアが京都大賞典大敗からワンツーを決めたこともあるし、普通に考えれば牡馬混合⇒牝馬限定なら有利に運びそうなものなんだが。
ということで、このデータを字面だけで鵜呑みにしていいものかと過去の該当馬を探り検証してみたい。
過去20年
前走オールカマー組(オールカマー⇒エリ女(人気))
【2021】
レイパパレ(4歳) 4着⇒6着(1番人気)
ランブリングアレー(5歳) 7着⇒9着(6番人気)
ウインキートス(4歳) 2着⇒10着(5番人気)
ウインマリリン(4歳) 1着⇒16着(3番人気)
ロザムール(5歳) 14着⇒17着(14番人気)
※レイパパレはオールカマーでも掛かり気味にいって失速。大阪杯のインパクトが強すぎてエリ女でも人気を引きずったが、気性的にも条件がタフすぎて人気先行。ウインキートスはオールカマーを完璧な立ち回りで2着ながら内容的には完敗。もともとG1のキャラでもなく。ウインマリリンは状態が最悪。16着なら能力以前の問題。
【2020年】
センテリュオ(5歳) 1着⇒5着(4番人気)
※マーメイドS2着からオールカマー1着と夏に突如覚醒したが、オールカマーは少頭数のスローで戸崎騎手が完璧な立ち回りをしての辛勝。これは通用しないパターン。
【2017年】
ルージュバック(5歳) 1着⇒9着(2番人気)
※この馬にとって悲願のG1制覇があるならエリ女という感じで人気にはなったが、当時すでに"G2以下では強いがG1では通用しない"のレッテルを貼られていた。それに休み明けに強いタイプだったので、休み明け快勝後の本番という臨戦過程も良くはなかった。
【2016年】
マリアライト(5歳) 5着⇒6着(1番人気)※同年宝塚記念勝利
※同年の宝塚記念を勝利しただけに、同距離の(前年も勝っている)エリ女ならまず勝ち負けと思われたが6着。今に思えば宝塚を勝利した疲労(何といってもドゥラメンテとキタサンブラックを撃破してしまったわけだから)が秋になっても抜けきらずの可能性。それにもともと勝つ時は比較的人気のない気楽な立場だった。この手の馬が人気になった時は危ない。
【2015年】
マリアライト(4歳) 5着⇒1着(6番人気)
ヌーヴォレコルト(4歳) 2着⇒2着(2番人気)
※この年はオールカマー組がエリ女でワンツー。牡馬混合のG2を健闘して、牝馬同士のG1で上位争いという健全な姿。ただ、マリアライトにはそれまでマーメイドS2着の実績しかなかっただけに、ここで勝ち切るというのは意外ではあったが。これが4歳馬の勢いなのか。ヌーヴォレコルトは実績的に順当。前年にクラッシック戦線で活躍した4歳馬なら上位争い必至(ただ、5歳になると成績は落ちる)。
【2014年】
ラキシス(4歳) 2着⇒1着(3番人気)
アロマティコ(5歳) 5着⇒8着(9番人気)
※前年のエリ女を1000万(現2勝クラス)を勝った直後で2着したラキシスが、リピート好走で着順を上げて1着。オールカマー2着は翌年のヌーヴォレコルトと同じ。勝ち切るよりも、この程度の好走が疲労を溜めない意味で前哨戦としてはちょうどいいのかも。
【2003年】
ダイヤモンドビコー(5歳) 6着⇒6着(6番人気)
※前年の乗りに乗っていた4歳時は2着したが、5歳になって勢いに陰りのあったこの年はオールカマーもエリ女も人気通り。並の牝馬は5歳になればパフォーマンスを落とす。今は調教技術の進化で能力維持の寿命も延びているかもしれないが。
さぁどうでしょう?
オールカマー組はダメだと言われても、後付けながらも検証してみれば、ほとんどの馬がさもありなんという状況ではあった。これがレース前に読めていれば競馬って簡単なのだけど、やっぱり後付けは後付けなんだよな(^^;
でも、同じ感覚で今年の出走馬を占ってみる。
【2022年のオールカマー組】
1着 ジェラルディーナ(4歳)
※オールカマーを勝って本番に挑んだ馬が過去20年で【0-0-0-3】というのを見た時に、当初はこの馬も厳しいのかなと思ったが、去年のウインマリリンはまともに調教もできていなかったので度外視。センテリュオ、ルージュバックは引退間近の5歳だったというのが本馬との違い。脂の乗った4歳馬が牡馬相手のオールカマーを勝って本番に挑んだケースは去年のウインマリリンだけならデータはないに等しい。夏場皆勤なので疲労面がどうかも別段悪い臨戦とも思わない。ただ、うまく運び過ぎた感はある。
3着 ウインキートス(5歳)
※G2までは通用するがG1では厳しい典型的なタイプでは。消し。
6着 デアリングタクト(5歳)
※オールカマーで2着、5着とほどほどに負けていた方がエリ女で好走しているのが過去のデータ。そう思えば6着の本馬も及第点だが、オールカマーで1.0秒も離されて巻き返した馬はいない。宝塚記念3着だけ走ればとも思うのだが、同年の宝塚記念を勝ちながら、ここで6着に敗れたマリアライトの例もある。今年の宝塚も相当にタフだったので、あそこで出し切って燃え尽きた可能性がないとも言えず。1年弱の休養があったとはいえ、5歳のオールカマー組がエリ女で馬券になった例がないのも気がかり。人気必至なだけに期待値を考えるなら本命まではどうだろう。
⇒オールカマー組の序列
ジェラルディーナ > デアリングタクト > ウインキートス
※だからといってジェラルディーナが本命というわけではありません。
京都大賞典組は明日
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。