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古代蓮の里 見聞録

世界の三大珍味といえば、トリュフ・フォアグラ・キャビア、世界の三大美女といえば、クレオパトラ・楊貴妃・小野小町だが、個人的に思う“世界の三大いい匂い”といえば…金木犀・焼きたてのパン屋・ビアードパパだ(笑)

ビアードパパというのはシュークリーム屋なのだが、あま~い香りをまき散らして誘惑してくるんだよ。基本甘いものは食べない私ですら、思わず吸い込まれそうになるくらい。ビアードパパの匂い誘惑商法(?)は実に巧みだと思うね。

さて、そんなどうでもいい前置きから、実は今日(13日)、“三大いい匂い”にはランクインしないけど、その次位候補に入るぐらい好みの匂いを嗅ぐ小旅行に出掛けた。

 

私は自然が好きなので、季節ごとの花を見ることも慣例としている。

春は桜、夏はヒマワリ、秋はポピー、コスモス、彼岸花など。ただ、冬は見られる花も少ない。

しかし、その冬の救世主がこの蝋梅だ。

 

見た目に派手さはないが、その香りが実にいい。

ここ数年、蝋梅の香りを求めて、宝登山、昭和記念公園、府中市郷土の森など、蝋梅のメッカと呼ばれる場所に方々出向いているが、今年は気持ちを新たに別の場所に行きたいと思い、埼玉県の行田市にある「古代蓮の里」というところを訪れた。

その名の通り、蓮のメッカとして名高い場所。蓮の前に古代と付けちゃうくらいで、最古のもので3000年も前の蓮が祖先となって今に伝わっているらしい。これが本当だとしたらロマンありすぎだぞ、古代蓮。

ロマンといったら三国志、その時代がおよそ1800年前だったことを思うと、蓮の歴史の長さに感嘆してしまう。

「蓮よ、お主は、劉備や孔明、関羽、張飛らの活躍を、その水辺の中からしかと見てきたのだね…」などという、いつもの危ない妄想癖が出てしまったが、正確に言えば、行田市の蓮が中国の蜀の人物の活躍を見られるはずはない。

ま、その辺はあくまでも妄想なので(笑)。

 

そんな貴重な蓮が咲き誇る最盛期(6~8月)には、このお里も相当賑わっていると思われるが、今日のところは人もまばら。

 

私も何も咲いていないこの単なる泥地をのぞみつつ、蓮の咲いている時期に来れば良かったな…と思ってしまったが、いやいや、今日の目的は蓮ではなく蝋梅。蓮がいなくとも立派に蝋梅がお里を守っているはずだ。

 

して、夏には蓮の咲くであろう水辺のスロープを渡っていくと、お目当ての蝋梅のお出迎えだ。

 

ロウバイ、咲いてます。

 

最初に見つけた蝋梅は私の背丈ほどもない低いもので、匂いを嗅ぐにおあつらえ向き。

さっそく嗅いだ。蝋梅の花弁に自らの花をギリギリまで近づけて嗅いだ。

思わず、「ふぅ~ん」などという怪しい吐息を漏らしてしまうほど期待通りの香りが鼻腔をくすぐった。

 

やっぱりええわ、蝋梅の香り。

今だけ、ビアードパパの匂いを抜いて世界三大いい匂いに昇級させてやろう(笑)

 

こう言っては何だが、蝋梅って見た目には割としょぼいいで立ちだ。

花は黄色で可憐だが、幹は少し力を加えれば、ポキッと折れてしまいそうなほど細くて枯れ気味。

 

よって、撮影していても、いまいちインスタ(ブログ)映えしないと思うが、その中でも割と綺麗目に撮れた写真を掲載していこう。

 

 

 

綺麗に撮れたといっても、所詮桜ほどの艶やかさはない。この香りが写真から発せられればまだいいのだが。

それでもこの寒空に花を咲かせてくれる貴重な蝋梅よ。

実はその姿形(枯れたような幹)から、「蝋梅」ではなく、老いた梅の「老梅」だと思っていたことがあったことは許してくれたまえ(笑)

 

 

さて、この古代蓮の里であるが、広々とした広場があって、のんびり過ごすにはおあつらえ向きだが、アクティブな向きにはちょいと退屈は場所であるかもしれない。

ただ、行田市というのは、埼玉の中でも割と辺境の地にありながら、歴史は深い街で、この近隣には、「さきたま古墳群」などもあるので、そうしたものが好きな御仁にはなかなか楽しめる場所かもしれない。

私は以前にさきたま古墳群は訪れており、墓石などを見ては、「もしかしたら卑弥呼もこのような墓に収められていたのかも」などと例によってトンチンカンな妄想を抱いてしまったこともあるので、今回は訪問しなかった。

その代わり、せっかく遠方に来たのだから、恒例の寺社仏閣でも巡ろうじゃないかとネットを操り、この地から割と近場にある良さげ神社に赴くことにした。

その模様はまたいずれ。

 

 

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