競馬

天皇賞(春)親父の想い出語り

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私は馬の能力が最も反映されるであろう(と個人的に思っている天皇賞(秋)が最も好きなG1レースなんだが、この初夏の時期に行われる天皇賞(春)もまた別の味わいがあって好きだ。

春秋に関わらず、天皇賞という響きが伝統を感じさせるのもいい。春は距離が長いから単純に長く見ていられるのもいいし、その中で繰り広げられる騎手の駆け引きも見どころだ。

 

パッと過去の春天(私は春を前に付ける派)を脳内で振り返っただけでも、メジロマックイーン、ライスシャワー、サクラローレル、マヤノトップガン、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー…らキラ星のごとくスターホースの名とそのレース映像が鮮烈に蘇ってくる。

昔は(…というと、また親父の想い出語りが始まっちゃたよと思われるかもしれないが)、その時代の超一流ホースが参戦し、しっかり結果を出した堅い決着のレースとしても有名だった。

しかし、いつの頃からかトップホースに回避の傾向が見られるようになり、一転波乱必至のレースとなってしまった。

いまここに過去10年の結果があるが、10年前の勝ち馬ジャガーメイル、以下ヒルノダムール、ビートブラック、フェノーメノ、レインボーラインらは言っては悪いが、このレース以外のG1では勝ち負けは難しく、その時代のトップホースとは言えなかったように思う。

キタサンブラックがこのレースの権威を復権させた感はあるが、ゴールドシップやフィエールマンといった馬ですら、その時代に最も強かった馬は?と問われれば、オルフェーヴルやアーモンドアイといった名が挙がってしまうことだろう。

もはやこのレースを勝ったところで種牡馬としての価値もなく(マイネルキッツが乗馬というのも悲しい現実)、現在の競馬界を牛耳るノーザンファームが積極的に参戦しなくなったことから、このレース存続の意義すら疑問が生じているほどだ。

とはいえ私はこのレースが好きだからこそ、その現実が悲しい。

過去、本当に名勝負の多かったレースだけに現状を嘆き憂いているのだ。それが時代の流れと言われればそれまでだが。だから懐古厨などと言われても、昔を思い懐かしんでしまう。

今日はその中から想い出語りをさせてもらおうと思う。

その前に、先ほどこのレースは昔は堅かったと述べたが、それが証拠に過去の結果をご確認あれ。

 

1997

1着マヤノトップガン(2番人気)

2着サクラローレル(1番人気)

3着マーベラスサンデー(3番人気)

 

1999

1着スペシャルウィーク(1番人気)

2着メジロブライト(3番人気)

3着セイウンスカイ(2番人気)

 

2000

1着テイエムオペラオー(1番人気)

2着ラスカルスズカ(3番人気)

3着ナリタトップロード(2番人気)

 

2001

1着テイエムオペラオー(1番人気)

2着メイショウドトウ(3番人気)

3着ナリタトップロード(2番人気)

 

2002

1着マンハッタンカフェ(2番人気)

2着ジャングルポケット(3番人気)

3着ナリタトップロード(1番人気)

 

2008

1着アドマイヤジュピタ(3番人気)

2着メイショウサムソン(2番人気)

3着アサクサキングス(1番人気)

 

1990年台後半から2000年台初頭までは、かように人気決着が多かったのだ。

G1レースといえども、いや、全ての馬が最高の仕上げを施されるG1レースだからこそ、1~3番人気決着というのは意外にも稀なのだが、この時代の春天ではそれが頻発していた。

ここに名の挙がった馬の中では、ラスカルスズカこそ尻すぼみの成績に終わってしまったが、他のいずれの馬もその時代のトップの馬たちで(アドマイヤジュピタに関しては異論は認める)、本来なら単独でも主演を演じられるスターホースなのだが、それらが競演してかついずれもが素晴らしい演技を見せてくれたのだからたまらない。無理な穴を狙って外したとしても観るだけで満足できるレースが多かった。

穴党としては波乱のレースも楽しいものだが、この伝統の天皇賞(春)だけはこうした歴史を見てきただけに、真のトップホースが参戦し、強い馬が強い競馬を見せて欲しいなどと思ってしまうのだ。

 

では、この中で1997年について触れていこう。

この年、前年の春天の覇者サクラローレルは、連覇を狙って有馬記念(1着)からのぶっつけ参戦を選択した。いみじくも今年のフィエールマンと同じ臨戦である。

その前年の春天制覇は、故障からの復活を期すナリタブライアンの野望を打ち砕いてのものであった。

当時、史上最強馬のほまれ高かったブライアンはその敗戦後、高松宮記念に出走するという迷走もあり、そのままターフを去った。秋以後もサクラローレルとの戦いを見たかったが、結果として、その春天の敗戦がブライアンに引導を渡す格好となってしまった。

秋以後のサクラローレルは、秋天こそ3着と取りこぼしたものの、マヤノトップガン、マーベラスサンデーら豪華メンバーの揃った有馬記念では完璧な強さを発揮して優勝。間違いなくこの年の主役といえる存在であった。

ただ、故障による長期休養もあって遅咲きだったローレルとはいえ、時が経てば経つほどそれよりひとつ若いマヤノトップガン、マーベラスサンデーの伸びしろが肉薄してくることは当然のこと、さらにぶっつけだったローレルとは違い、その2頭はいずれも前哨戦を良い形で快勝して天皇賞に臨むことになっていた。

 

時にポカがあるのでイメージ的に同時期のブライアンやローレルより下に見られがちだったマヤノトップガンだが、その時点で菊花賞、有馬記念、宝塚記念を制する超一流ホース。これほどの馬がブライアンやローレルの前では、大関クラスの扱いになってしまうのだから何とも贅沢な時代であった。

そしてマーベラスサンデー。この馬はまだビッグタイトルこそなかったが、ローレルが春天を勝ったその年に、下級条件から重賞4勝を含めた6連勝をかましてG1に王手をかけるところまで昇り詰めていた。当時の昇竜の勢いたるや見事なもので、絶頂期の武豊騎手が鞍上だったこともあり、ローレル、トップガンを凌駕するほどの評価を得つつあったのである。

 

有馬記念を圧勝したサクラローレルではあったが、春天に関してはぶっつけ参戦であったことと、マヤノトップガンが阪神大賞典、マーベラスサンデーが大阪杯を楽勝して参戦したことで、その年の春天は3強の様相を呈していたというわけだ。

それでもぶっつけだったローレルが一番人気を死守したのは、やはり前年の春天制覇のインパクトと、有馬記念で2頭を問題にしない強さを見せたからであろう。能力的には1番と思われていたローレルのぶっつけ参戦はちょうど良いハンデという向きもあったかもしれない。

何にせよこれほどお膳立ての揃った春天は後にも先にもあったろうか。ちょっと記憶にない。

 

個人的にはマーベラスサンデーを応援していた。ライバル2頭に比べてまだ実績では劣ったものの、有馬記念ではローレルの2着とその背中に追いつくところまできていたし、とにかくそのほぼパーフェクトな戦績が私好みであった。

この馬がG1を取らずして終わるのは惜しいとの思いもあった。ただ、この馬はサンデーサイレンス産駒だったので、本質的には中距離がベスト。レインボークエスト産駒のローレル、ブライアンズタイム産駒のトップガンに適性で一枚劣るということも分かっていた。

それでもローレルが休み明けの今回なら…と思って迎えた天皇賞は、その結果も実にドラマティックなものとなった。

最後の直線、早めに動いたローレルを武豊のマーベラスが追う。この場合、追われる立場の方が目標になってしまう分、分が悪いもの。

よって、これならマーベラス、イケるぞ、イケー!と声援を挙げたものだが、そう思わせてくれた時間は短い。

というのも、マーベラスの執拗なマークをものともせず、ローレルときたらバテないやしないのだ。抜かせそうで全く抜ける気配がない。

休み明けのくせに何なんだよこの無尽蔵のスタミナは…その強さに驚愕したことを今もはっきりと覚えている。当時は今以上に休み明けの参戦は非常識でもあったから。

しかし、この展開でもあっさりローレルが勝ってしまうのか…と思った刹那、道中は後方でなりを潜めていたトップガンが矢のような脚で外から突っ込んできた。

えっ、えっ?

どちらかといえば、先行してスタミナを生かす戦法が持ち味のトップガンがこんな脚を使えるの??

そんな心境であった。

つばぜり合いを続けるローレルとマーベラスをあっさり交わし、ローレルの連覇の夢を砕いたのは、前走の阪神大賞典から差し競馬へのモデルチェンジを図っていたトップガンなのであった。

ジリ脚だと思っていたトップガンが繰り出した上りは長距離戦とは思えぬ驚愕の34.2。

漁夫の利だろうと出し抜けだろうと、この日最も輝いたのはトップガンと鞍上の田原成貴であった。

ちなみにローレルの鞍上は横山典弘、マーベラスの鞍上は武豊であるから、馬も一流なら騎手も一流。この豪華絢爛な一戦はちょっとした映画よりもよほど感動できるドラマであった。

 

早めに動いて王者の競馬を見せたサクラローレル、それを追従したマーベラスサンデー、いずれかが垂れてもおかしくはない展開であったが、いずれも2、3着にとどまり4着以下には4馬身をつけていた。この3頭の能力がいかに抜けていたかの証明だろう。

過去に3強というフレーズはいくつかあったが、この年の春天の様相ほど3強が似合う時も少なかったように思う。

 

しかし、この春天の激走の反動が出たのかトップガンは故障に倒れそのまま引退、休み明けながら勝ち馬以上の強さを見せたローレルは海外遠征を選択し、こちらも故障により引退を余儀なくされた。

この2頭が不在であれば、必然マーベラスが頂点に立つのは当然のこと。

次走の宝塚記念には、前年の天皇賞(秋)を3歳の身で制した(3強を下していた)バブルガムフェローも参戦したが、その強者をも退け、見事に初G1制覇を成し遂げた。

ずっとマーベラスサンデー贔屓だった私にとっても悲願のG1制覇となった。

 

そして、その後シルクホースクラブでマーベラスサンデーの妹が募集されていると知った私は何も考えずにその馬に出資したが、シルクバレリーナと名付けられたその牝馬は3戦目で競走中止となってしまった。。。

最後はそんなほろ苦い思い出まで甦ってきた当時の激闘であった。良き時代であったなぁ(遠い目)

 

当時を経験してしまった私にとって、今年の天皇賞はもはやドラマを求めるものというよりは、純粋に予想を楽しむためのものだ。

戯言が長くなってしまったが、ここまで読んでくれた皆さんありがとう。

これから今年の予想を開始しようと思う。何だかんだ言っても競馬が楽しいことに変わりはない。

臨戦過程評価の難しい馬が多いのだが、今日明日にも今年の見解もアップできたらと思っているのでどうぞよろしく。

 


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今週の特別戦で狙っている馬が挙げてます。

 

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