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2024 菊花賞 上位人気馬の見解

菊花賞はダービー出走馬が強いレース。過去10年ダービー出走組が馬券に絡まなかった年はない(ある意味当然なことだが)。

今年はセントライト記念、神戸新聞杯ともに3着までがダービー出走組(メイショウタバルは取消だが)。3着くらいに上がり馬が食い込むようなら逆転の目もあり得るが、例年の傾向に加えて前哨戦のこの様相から、王道組を評価せざるを得ない状況が出来上がっている。

ダービーの頂点に立ったのがダノンデサイル、皐月賞最先着馬がコスモキュランダ、前哨戦を勝ったアーバンシック、メイショウタバル。

例年の傾向からこの4頭は人気でも評価せざるを得ないかなという感じだけども、さすがにこの4頭でそのまま決まるかとなると異論の余地はありそう。この4頭の中から1~2頭が馬券になって、そこに伏兵が割り込むという秋華賞同様の構図となりそうなので、まずは4頭に序列を付けるためにも個別評価。

ダノンデサイル

ダービーは鞍上の魂の騎乗。あそこまで序盤からヤル気を見せた横典など長らく競馬をしてきて見たことはなかった。その上で位置取りも流れも向いたわけだから、あの一戦を過大評価はできないけれど、それでもああいう競馬ができるのも実力のうちだし、スローの瞬発戦で世代トップ(と私が思っている)ジャスティンミラノを2馬身千切った力は紛れもなく世代トップクラス。皐月賞取消からの異端ローテでこの偉業を成し遂げたことも評価できるし、今回も異端ローテにはなるが、昨年タスティエーラが前例を作っているし、古くはサクラスターオーが皐月賞優勝後、故障明けで菊花賞を連勝した例もある。調教施設や技術の発達していない37年前ですら、このレース間で勝ち切れるのだから、能力さえあればこのローテも不問だろうし、本馬に関しては予定通りの休み明け。血統的にも不安はないし(むしろ歓迎の感)、器用な立ち回りができるセンスはここでも活きる。本来、長期休養明けで人気の馬など評価はしたくないが、この馬に限ればムゲに軽視するのは危険といった感じ。

 

コスモキュランダ

デビュー戦で最下位だった馬がよくぞここまで出世したという感じ。これだけ右肩上がりの出世を成し得た馬など過去にもあまり記憶がない(デビュー戦ブービー負けからダービー馬に輝いたワンアンドオンリーに通ずるものはある)。それはさておき、この馬が世代トップクラスまでのし上がったことは戦歴からも明白。最悪の臨戦過程だった皐月賞で、良い臨戦過程だったジャスティンミラノをクビ様まで追い詰めた内容は、実質1着に等しい。モレイラのアシストがあったことは確かだが、いくら名手が乗っていたとて、馬に力がなければ走れるものではない。ダービーは、来ない馬に賭ける馬券があるなら賭けたくなるほど、絶対に来ないと思える悪い臨戦で6着。内容的にも大味な立ち回りで3着と0.1差だから改めて強さを認識。セントライト記念の負け方も悪くはない。前哨戦はよほど力が抜けた馬でない限り、激走しすぎない方が良い塩梅なのだ。戦歴が父(アルアイン)の戦歴をなぞっているところは気がかりだが、あの年は近10年でも唯一の極悪不良馬場。デビュー戦最下位馬の戴冠という偉業があったとしても驚けない。

 

アーバンシック

前残りの形成杯でダノンデサイルを追い詰め、臨戦過程の良くなかった皐月賞で4着は立派。ダービーは鞍上がクビになった一因となる消極的な騎乗が災い、能力的にも展開的にも全く力を出し切れていない。セントライト記念は枠に恵まれ、コスモキュランダが捲り上げた流れも本馬にはおあつらえ向き。ダノンデサイルのダービー同様に全ての条件が向いた中での勝利だったので、コスモキュランダとの序列はまだ決したとは言えないが、今回もその勝利に導いた名手が騎乗するのは大きな加点要素。たちはだかるハードルは、セントライト記念の勝ち馬で好走したのはキタサンブラックだけというデータ。ただ、過去のセントライト記念の勝ち馬は、ガイアフォース、アサマノイタズラ、バビット、ジェネラーレウーノ、ディーマジェスティ、キタサンブラックらで、皐月賞3着だったディーマジェスティが2着と0.1差、キタサンブラックが1着。ガイアフォース、ジェネラーレウーノは脚質面、距離面に不安があり、この面々で意外な敗戦といえば、ディーマジェスティだけか(それでも僅差)。本馬は既に皐月賞4着実績があり、ルメールの金棒を得た今、やはり軽視はできない。

 

メイショウタバル

父がゴールドシップで最もこの舞台に相応しい配合馬。石橋守調教師がメイショウサムソンで3冠の夢ついえたのもこの菊花賞で、メイショウの冠馬でこの舞台に挑む構図も何ともドラマティック。よって心情的にはこの馬を最も応援したいのだが、前走で逃げの切り札を使った後の臨戦は、毎日杯⇒皐月賞と同様。過去10年、前走で逃げ切った馬の好走はリアファルの3着だけ。これが神戸新聞杯1着ということで本馬と一緒だが、この時は皐月賞2着、ダービー4着のリアルスティールを2馬身突き放しての完勝。世代トップの馬を完封して、名手ルメールのアシストを借りても3着だったとの見方もできる。本馬は絶好の立ち回りで、ダービー惨敗のジューンテイクに0.1差。能力の最大値はここでも通用するはずだが、今回はその全能力を出せないと見るのが妥当なところでは。

 

ということで、メイショウタバル以外は大きな減点評価は見当たらない印象。ただ、その序列が難しくて、これでは1~3番人気を全て評価しただけで終わってしまう。

過去20年まで遡っても1~3番人気馬が上位を占めたのは2011年の一度だけ(オルフェーヴル、ウインバリアシオン、トーセンラー)。この年にしても、3着トーセンラーが条件戦2着から参戦してハーバーコマンドにクビ差まで詰め寄られており、今年の主役不在のメンツでこの3頭で決着する可能性は極めて低そう。

上位馬は一定の評価はしつつも、、ダノンデサイルには「休み明け」、コスモキュランダには「血統の壁」、アーバンシックには「春クラシックで3着内なし(なのに人気)」という負の障壁がないわけでもない。

これらのいずれかを軸として他2頭と組み合わせるにせよ、この3頭同士の3連系は買わず、他馬の台頭に期待する感じの買い方になりそう。

なお、セントライト記念、神戸新聞杯で好走できるのは原則3着以内だった馬だけ。前哨戦凡走から巻き返したエアスピネル、タイトルホルダーには既にG1での連対実績があった。

よって、上位に食い込む余地のある馬は、セントライト記念3着エコロヴァルツ、神戸新聞杯3着ショウナンラプンタと、条件からの上がりの馬たち(アドマイヤテラ、シュバルツクーゲル、ヘデントール)ということになりそう。

あとはまだ週半ばであるし、メリオーレム、ハヤテノフクノスケあたりは個人的には見切らず残しておきたい。

メリオーレムは過剰人気だったとはいえ、前哨戦1番人気から大きく陥落して妙味が爆上がり。ハヤテノフクノスケは前走で札幌芝2000mの条件戦2着からの参戦がハーバーコマンド(14番人気4着)を起草させる。このフクノスケ、京成杯ではダノンデサイル、アーバンシックと0.2差。そこまで弱い馬ではないし、父ウインバリアシオンの青森産馬というところが血統のロマンもくすぐるのだよね。

 

去年は大外からドゥレッツァが型破りの騎乗で勝ったけど、基本は内枠有利だから後は枠なども見て詰めていこう。

YouTubeで血統の方の評価を聞いていると、同じ血統派でもかなり見解が違うのが面白い。まぁ、母父サクラバクシンオーのキタサンブラックが勝つくらいだし、スピード優位となってきた今の菊花賞であまり血は重要視しなくてもいいのかなとも思ったり。

かつては血の宿命でミホノブルボンがライスシャワーに屈して、これぞ菊花賞という感じのドラマがあったもんだけどね。思えば競馬を始めて2週目のレースがライスシャワーの菊花賞だったなぁ。今やライスシャワーのようなステイヤーは厳しい時代になっちゃったね。

まぁ32年経った今年の菊花賞も予想からこうして楽しめているのだから幸せですよ。今週もどうぞよろしくお願いします。

 


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↑前走は内枠でやや窮屈なシーン。人気だろうけど巻き返し必至

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