天皇賞(春)はタイトルホルダーVSディープボンドの様相だけど、過去の2強対決で両雄並び立つケースは少ない。
並び立ったケースでパッと思いつくのは、別レースだけどもマイルCSでのノースフライトVSサクラバクシンオーだが、それだけノースフライトとバクシンオーが偉大だったということだろう(フライト上げ)。それにマイルの距離では2強というより、ノースフライトの1強、レース内容もそんな感じだったしね(再びノースフライト上げ←大ファンなもんでw)
記憶の新しいところでは大阪杯のエフフォーリアVSジャックドール
両雄どころかどちらも飛ぶケースは稀だが、今年はそんな波乱も頻発しているから今回も分からんよ。
天皇賞(春)だけに限っても、メジロマックイーンVSトウカイテイオー、メジロブライトVSシルクジャスティス、ナリタブライアンVSマヤノトップガンの2強対決で、片方は3着にも入れていない。
過去10年でも、1、2番人気のワンツー決着は一度だけ。それは4年前のレインボーラインとシュヴァルグランの年だが、全体的に大混戦の年だったので、2強というイメージはなかった。
3着内に1、2番人気馬が共に入った年もレインボーラインが勝った年を含めて僅かに2度だけ(キタサンブラックVSサトノダイヤモンドで①③着)。
互いに意識しあってしまうせいなのか、道中の駆け引きも重要となる長距離戦だけによりその傾向が強いのかもしれない。
さすがに1、2番人気共倒れの年は1度しかないので、この流れを汲めば、今年も1番人気か2番人気を軸にして、思い切って他方を軽視して妙味を得るという作戦が有効そうだ。
今年、タイトルホルダー、ディープボンドのどちらを軸にするかは、枠なども見てから決めるとして、過去の2強対決時にどういった馬が割って入っているのかを検証することで、今年のイメージを働かせたい。
1991年 メジロマックイーンVSメジロライアンの年
①メジロマックイーン(1番人気)
②ミスターアダムス(7番人気)
③オースミシャダイ(12番人気)
④メジロライアン(2番人気)
前年の菊花賞馬メジロマックイーンと、前年の皐月賞3着、ダービー2着、菊花賞3着、有馬記念2着メジロライアンとの対決。マックイーンは盤石の勝利も、G1レース4戦を含め9戦連続3着内だったメジロライアンが4着に敗れる波乱。
この時2着に食い込んだミスターアダムスは主な勝ち鞍、3勝クラス。春天を迎えるまでの近5走がステイヤーズS②、ダイヤモンドS③、京都記念④、阪神大賞典③、大阪城S②。安定感はあるとはいえ、阪神大賞典後にOP特別を使ってそこですら勝てていない馬がメジロライアンに先着してしまうとは…しかしそれが起きてしまうのが競馬。叩き上げの相手なりに走るキャラには要警戒。
3着オースミシャダイは主な勝ち鞍、阪神大賞典、日経賞。12番人気ではあったが、前年にG2を2勝、その後OP特別の勝ち鞍を加え、天皇賞(春)の前走でも目黒記念3着。なぜここまで人気がなかったのだろう?。昔取った杵柄でも重賞実績馬には要警戒。
1992年 メジロマックイーンVSトウカイテイオーの年
①メジロマックイーン(2番人気)
②カミノクレッセ(4番人気)
③イブキマイカグラ(3番人気)
⑤トウカイテイオー(1番人気)
前年の覇者メジロマックイーンが盤石の連覇。この馬が2番人気というのも今に思えばおいしいが、当時のトウカイテイオーは7戦7勝。ダービーまで無敗で制し、その後骨折で休養の憂き目となったが、前走の大阪杯をほぼ馬なりで勝ち、華々しく復活を遂げた。
この大阪杯、YouTubeなどで見られるのならぜひ見て欲しい。杉本アナバージョンだと、後ろの馬にカメラワークが映った時に「後ろの馬はどうでもいい」ぐらいのアナウンスをしている。後ろの馬の立場っていったい…と苦笑してしまうほどだが、それほど当時のテイオーはスーパースターでその勝ちっぷりも圧巻だった。これならマックイーンより人気になったのも無理はない。それでも天皇賞は5着に負けた。それが競馬。
テイオーに先着したカミノクレッセは、このレースの後の安田記念、宝塚記念も2着となる悲運のシルバーコレクターだが、もともとそれだけの実力を持っていた。前年の天皇賞(秋)で3着、当年の日経新春杯1着、阪神大賞典を2着。既に重賞勝ちがあり、G1上位実績のある馬はやはり侮れない。
3着イブキマイカグラも3番人気になるぐらいで、それまでに複数の重賞G2タイトル(弥生賞、NHK杯)を持っていた。菊花賞の2着馬であり普通に買える馬。ただ、クラシックでは同期のテイオーに完膚なきまでに叩きのめされていたし、前走の大阪杯でもテイオーの7着だったので、よもやこの大舞台で逆転はないと見られていたのだ。が、実績のある実力馬は大舞台で逆転することもあるということだ。
1996年 ナリタブライアンVSマヤノトップガンの年
①サクラローレル(3番人気)
②ナリタブライアン(1番人気)
③ホッカイルソー(4番人気)
⑤マヤノトップガン(2番人気)
いまだベストバウトに数えられるナリタブライアンVSマヤノトップガンの阪神大賞典のハナ差の激闘の次走がこの天皇賞(春)。最強の名を欲しいままにしたブライアンが復活を遂げ、敗れたトップガンも前年の菊花賞、有馬記念の覇者なのだから、ここもまずこの2頭が勝ち負けすると思うのは当然のこと。しかし、いずれも勝てずトップガンに至っては圏外。今に思えば、これは阪神大賞典の激走の反動もあったろう。
反動という意味では、勝ったサクラローレルも前走の中山記念を一年以上ぶりに勝利していたので、普通なら厳しい臨戦だったと思うのだが、この年のローレルは、結果的に誰もが認める最強馬に君臨したので、単に力が上だったのかもしれない。以後、マヤノトップガンと同じレースを走っても、ローレルの方が一枚も二枚も上という印象を受けたほどだったから(結果は別にして)。
それはともかく、ここでのカギは3着に食い込んだホッカイルソー。この馬は弥生賞②、皐月賞④、ダービー④、菊花賞③、日経賞①などという実績があり、普通に考えれば買える実力馬であった(だからこそ4番人気)。オースミシャダイ、イブキマイカグラ、ローゼンカバリーなどと同様にG2勝ちを含め重賞上位常連馬はG1で多少なりとも人気を落とせば買いと言えそうだ。
1998年 メジロブライトVSシルクジャスティスの年
①メジロブライト(2番人気)
②ステイゴールド(10番人気)
③ローゼンカバリー(5番人気)
④シルクジャスティス(1番人気)
同期のメジロブライトとシルクジャスティスはダービーで初めて激突し、ブライト③VSジャスティス②、菊花賞でブライト③VSジャスティス⑤。菊花賞後にジャスティスはブライト不在の有馬記念で古馬を撃破し、ブライトは裏路線から阪神大賞典まで3連勝、その阪神大賞典では2頭が対峙し、ブライト①VSジャスティス②でその差はハナ。本番も2頭の一騎打ちと思われたが、割って入ったのがステイゴールド。
この時点のステイの主な実績はダイヤモンドS②、日経賞④程度。ただ、ダイヤモンドSを3勝クラスの身で2着するなど、強い相手にも怯まない相手なりに走れるキャラだった。このキャラは後々にも生かされ、相手の弱い前哨戦であっさり負けて、相手の強いG1戦でたびたび波乱を演出した。このキャラは先に挙げたミスターアダムスにも共通している。
3着ローゼンカバリーはこの時までにセントライト記念、AJCC、日経賞を勝っていた。それらを勝った勢い盛んな年の天皇賞(春)は5着に敗れたが、勢いに陰りの見られた翌年のここで3着に反発(それも皮肉だが競馬では往々にしてある)。オースミシャダイやイブキマイカグラ同様に過去に重賞実績のあった馬の復活走は警戒ということ。
そんなわけで、私の想い出に残る年の偏ったピックではあったが、2強が崩れた年の様相を記してみた。もはや検証というよりは回顧記事のようになってしまったのはご愛敬。
何にせよその当時であれば2強はどちらも崩れないと思っているのだろうが、あっさり崩れるし、振り返ってみれば割って入った馬のほとんどは普通に買えるケースも多かった印象(ステイゴールド、ミスターアダムスは少し見い出しにくい)。
そうした馬たちの特徴といえば、
・重賞勝ち実績(G2以上がベター)
・クラシックで上位入線歴
・長距離得意で相手なりに走れるキャラ
こんなところかな(ずいぶんざっくりw)
そのあたりを意識しつつ今年を見渡すと…
2強以外にG2以上を勝っている馬は、ディヴァインフォースとユーキャンスマイルしかいない…
ディヴァインフォースの勝ったステイヤーズSの実績など天皇賞(春)においては意味をなさないどころか逆に不安要素(スピードのないことの象徴になるので)。ユーキャンスマイルの昔取った杵柄も2年前では昔過ぎる。
近走で安定した成績を収めるアイアンバローズやシルヴァーソニックが、かつてのミスターアダムスやステイゴールドのような相手なりのキャラといえばそうかもしれないが、これまでの走りから祖父(ステイゴールド)のように強い相手に更に闘争心をかきたてるようなタイプとは思えない(G1でのパフォーマンスアップは疑問)。
これは厳しい…
もはや天皇賞(春)の権威も地に落ちたということだろうか。そもそも力のある馬の参戦が少ないということに今更ながらに気づいた(遅い)。
こうなると2強で決まってしまうのか。それは認めたくないが、他に買いたい馬がいない。2強を買いたくないから3番人気のテーオーロイヤルを、みたいな買い方もしたくない。素質を買っているマカオンドールも今回は過剰人気(になるかな)のような気がするし、いかんせん不器用で実績も乏しい。
これらを除いて強いて買いたい馬がいるとしたら、重賞タイトルはないものの相手なりタイプと思えるヒートオンビート。当レースと相性の悪いキンカメ産駒ながら、友道厩舎のアシストで長距離仕様に変貌していたら…と思ったけども、これも過剰人気かな(5番人気くらい?)。
でなければタガノディアマンテ。近2走は正直驚きの好走。4走前に長期休養明けながらスタミナを要するステイヤーズSで2着と激走した時も驚くと同時に地力の高さを再評価。ダテに3冠レース皆勤出走(いずれも一桁着順)。しかもその3レースとも8枠という悲運の中で成し遂げた実績。こちらも重賞勝ちがないのは玉にきずながら、万葉S勝ちの走りも印象深くステイヤー資質は高そうで。
うん、これかな、割って入る候補筆頭はタガノディアマンテ(自信はないよw)。
2強以外にほとんど買いたい馬のいないメンバーだったけど、こうやって書いているうちに少しだけ引かれたのがこの馬かなと思ったところで今宵はお開き。
結局南極、見るレースだな~(^^;
あともう1頭、強いて強いて挙げるならこの馬。かつて好勝負したディープボンドとは大きく差がついてしまったけど、今回のメンバーならもしかしたら…
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。