私が競馬を始めた年の阪神JF、当時は阪神3歳牝馬Sという分かりやすい名称だったこのレースの勝ち馬は『スエヒロジョウオー』という名の馬だった。
この馬は前走のきんせんか賞(東京・芝1600m)を12頭立ての12番人気で勝ち、この阪神3歳牝馬Sも9番人気で勝った。競馬を始めたばかりの私にとっては、このレースは "荒れる" というトラウマを受け付けるに相応しい勝ち馬だ。
さらに2着マイネピクシーが12番人気、3着カシワズビーナスが6番人気という大波乱
当時、IKKOがいたら間違いなく「どんだけ~!」と雄叫びを挙げたレースだったろう。
ただ、この時の1番人気馬が小倉3歳Sを9番人気で勝ち、その次のききょうS(阪神・芝1200m)でも4番人気(1着)でしかなかったマルカアイリス。
短距離志向が強く、実績もさほどではない馬が1番人気になってしまうのだから、当時のファンは今のファンよりかなり予想下手だと思う(笑)
それはともかく、この時の呪縛からついつい波乱がちのレースと思いがちなこのレースだが、ノーザンファームが幅を利かせるようになった昨今、波乱は少ない。
アルテミスS組の検証
近10年での波乱決着は9年前まで遡る。
この年、勝ったローブティサージュは前走ファンタジーS2着、2着クロフネサプライズはりんどう賞(京都・芝1400m)、3着レッドセシリアは新馬勝からの臨戦…これは確かに難しい。
この時の1番人気馬はコレクターアイテムで、アルテミスSを1番人気1着という臨戦。まともなら本馬が先の3頭に先着を許すなど考えられない状況だ。しかし、コレクターアイテムは4着に敗れた。
アルテミスS勝ちからの臨戦で大敗を喫した馬といえば2年前のリアアメリアも印象深い。この馬は新馬を勝った後、5か月近くの休養を経てアルテミスSを楽勝。ド派手なパフォーマンスを見せつけられて、JFでもこの馬が負けることなどあり得ないという世論が彼女の人気を1.8倍まで押し上げた。私もこの馬で仕方ないかなと思った記憶がある。
しかしながら、レシステンシアの "肉を切らせて骨を断つ" ハイペース戦法の影響はあったにせよ、入着すら逃す敗戦。
コレクターアイテムとリアアメリアの共通点は【追い込みでの勝利】だったことだ。他にアルテミスS1着からの臨戦馬では、ココロノアイ、リスグラシュー、ラッキーライラック、ソダシがアルテミスがいてこれらは阪神JFで馬券になっているが、いずれもアルテミスSを先行に近い形から勝利していた。
差し馬の印象の強いリスグラシューですら、2走前の未勝利勝ちが4番手からの抜け出し、アルテミスSも4角7番手とはいえ、18頭立てと思えばそう後ろでもない。
ここからはあくまでも仮説となるが、タフな舞台(東京・芝1600m)のアルテミスSを勝った馬はただでさえ疲労を溜めやすいが、それが追い込みに近い形であればあるほど反動も大きいのではないかということ。
サークルオブライフ(→)
そういう意味で今年の勝ち馬サークルオブライフは、11頭立ての4角8番手。この頭数なら追い込みといっていいだろう。だとするとこれは、コレクターアイテム、リアアメリアが陥った危険なパターンを踏襲するのでは?という見立てができる(先の2頭ほどの人気を集めない点は良い材料ではあるが)。2歳戦において大切な勢いを感じる臨戦過程から下降線とは思わないが、サークルオブライフの臨戦過程は平行線がいっぱいなんじゃないかな。
ベルクレスタ(→)
逆に2着だったベルクレスタ。
アルミテミスSでは自信の軸馬として推していただけに、僅かとはいえ差されてしまったことに物足りなさは感じたが、とはいえ好位から勝ちに行く競馬で最後は目標になった面もあった。
夏の新潟勝ち上がり馬でクラシックを目指せるのは、本馬とステルナティーア、ルージュスティリアのいずれかと評したぐらいの馬だし、ここは一定の評価を与えたい。ただ、臨戦過程で言えば本馬も平行線(同じ平行線でもサークルよりは上か)。
その他有力馬の考察
ウォーターナビレラ(↘)
この馬の安定感は軸としては無難のように映るが、無難なタイプを本命にしないことが私の今の命題でもあるし、そもそもそこまで強いだろうか?との思いもある。
ファンタジーSを勝ってきた馬の臨戦過程は本質的に良くはない。レシステンシア、ダノンファンタジーがそのローテから戴冠しているが、これは臨戦過程が悪かったのにも関わらず能力の違いで勝ったと思っている。だからこそクラシックや古馬になっても活躍できているのだと。そして、ウォーターナビレラがそこまでの器か?と考えると現時点では疑問符。今のところ、3着まではあっても頭はないという見立て。
ステルナティーア(→)
新潟の新馬戦時、ほぼ勝つと評した馬。私は単勝派ではないので、軸は最低3着にいればいいというタチではあるが、本馬から買うのなら3連単の頭で勝負と思ったくらい。果たしてレースも期待に違わぬ勝ちっぷりで「これは桜候補の一頭だな」との脳内メモもした。
ただ、2着に敗れた前走のサウジアラビアRCをどう評するか? 牡馬クラシック候補の呼び声高いコマンドラインに迫ったものの、スタニングローズ(新潟2歳、デイリー杯共に5着)に迫られた点。
個人的にはこの差が能力の差ではないとみている。少頭数のスローで着差の付きにくい流れになったし、勝ちにこだわりコマンドラインを捉えにいかねばならない難しさもあった。図らずも後方からとなり脚が溜まったスタニングローズとは全く違う。スタニングローズに関しても前走こそ5着に敗れたが、これもまた展開によるところも大きかったし、この馬の能力も高く買っている(よりよい使い方を施されていれば、堂々と阪神JFに参戦して勝負にもなった馬だったと思っている)。
ただ、ステルナティーアも臨戦過程自体は平行線。本命にまで据えるかは思案中。
ナミュール(↗)
スタニングローズを擁する高野友和厩舎がスタニングを引っ込めて(?)送り込んできたのが本馬。C.デムーロ騎手を確保したあたり、言うまでもなく陣営(厩舎&ノーザン)の勝負度合いは高い。レース振りも、新馬が2番手から、赤松賞が中団からの差し切り。赤松賞は私の中でかなりの評価を与えていたスターズオンアースの出走があり、これがあっさり勝つと見ていたが、直線ではこのスターズを置き去りにして、逃げ切りを目論むパーソナルハイもきっちり差し切った。この内容は見た目にも数字上も優秀。
ハービンジャー×ダイワメジャーらしからぬ切れ味だが、血統的には阪神に変わってより威力を増してきそうなイメージもある。今回のメンバーで臨戦過程トップは本馬。能力面の保証もあって鞍上も強化。現時点での本命はこの馬。
もう素直に外人同士でええやんという気持ちにもなっているレース。目ぼしい穴馬も今のところ見つからないし。とはいえキャリアの浅い2歳戦で勝負するわけにもいかないし見るレースになるかなー。
↑特別戦からの勝負候補馬
今週も応援よろしくお願いします('ω')ノ
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。
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