競馬

2020 オークス とあるデータの話

今年のオークスは難しい。

いや、馬券はいつも難しいのだが、今年は桜花賞が重馬場だったせいで能力を発揮できなかった馬が多くいたことを加味すると余計に難しく感じるのだ。

 

かつて、オークスではないのだが、牝馬クラシック戦線において、道悪のチューリップ賞で大凡走したチアズグレイスが桜花賞を勝ち、同じくチューリップ賞で人気を裏切ったクルミナルが桜花賞で2着と巻き返した。かように道悪というのは、着順だけで能力を推しはかることができず、それ以前の戦績をより重視した方が良いといえるだろう。

とはいえ、チアズグレイスもクルミナルもチューリップ賞では1番人気に支持されるほどの馬だったので、それぐらいの実績馬なら大敗からも巻き返せる、言い方をかえればそのぐらいのレベル(支持を集めていた)でないと、いくら道悪とはいえども大敗後の巻き返しは難しいのかもしれない。

とはいえ今年の桜花賞はかなり特殊な馬場だったので、その取捨は案外悩ましい。

例えばウーマンズハート。

よもやの桜花賞16着といった感じだったが、昨夏は桜花賞候補現ると言われた逸材であったはず。桜花賞が能力負けでないことは明らかだし、今回は舞台が左周りに変わる。この左周りではデビュー戦でマルターズディオサを問題にせず、その勢いのまま牡馬混合の重賞まで勝ったほどの馬だ。今年のメンツで牡馬混合重賞を勝ったのは本馬とサンクテュエールだけ。狂った歯車さえかみ合えば、このメンバーでも3着ぐらいはあっていいのではと思ってしまうのだ。

 

30頭中29頭が近2走内に2着あり

ただし、このオークスというレースは直近で好調でないと走れないというデータもある。あくまでもデータではあるが、牝馬だけに大敗からの一変というのはなかなか難しい側面があることは確かだろう。

過去10年3着内の30頭中、近2走で2着以内のなかった馬はわずかに1頭というデータ。

その1頭ですらチューリップ賞、桜花賞をそれぞれ3着とまとめた世代トップのリリーノーブルだから、このデータにほぼ例外はないといっていいだろう。

これで当然のごとくウーマンズハートは消え、一時は世代トップの称号を掴んだリアアメリアさえも退路を断たれた。さらに近2走7着、3着のスマイルカナも桜花賞3着の実績はありながら消しとなる。

 

近2走のいずれかで2着以内に走ってはいるが、そのどちらかで4着以下に敗れた馬というのが、30頭中8頭。これも決して多いとはいえない。基本的には近2走どちらかで必ず2着以内があり、もう1戦も3着以内というのが理想的ということだ。

 

近2走どちらかで4着以下のあった馬

2走前に4着以下

ジェンティルドンナ 2走前チューリップ賞4着

(チューリップ賞は熱発明け、前走で桜花賞を勝利)

クルミナル 2走前チューリップ賞11着

(チューリップ賞は道悪、前走桜花賞2着)

カレンブーケドール 2走前クイーンC4着

(クイーンCは未勝利直後、前走スイートピーS勝利)

いずれも2走前の重賞を明白な敗因の下に敗れ、次走で連対

前走で4着以下

メイショウマンボ 前走桜花賞10着

(桜花賞では4番人気、2走前は重賞勝ち)

バウンスシャッセ 前走皐月賞11着

(皐月賞でやむなき大敗、2走前は重賞勝ち)

ルージュバック 前走桜花賞9着

(桜花賞では1番人気、2走前牡馬重賞勝ち)

ビッシュ 前走フローラS5着

(フローラSでは1番人気、2走前は牡馬に勝利)

アドマイヤミヤビ 前走桜花賞12着

(桜花賞では2番人気、2走前は重賞勝ち)

前走大敗はほぼG1(例外1)、かつ人気には推されていた。さらに5頭中4頭が2走前に重賞勝ち、1頭は牡馬相手に勝利。

 

こうみると、カレンブーケドールは特殊なタイプではあったが、軒並みオークスで巻き返す余地のあった馬ばかり。特に前走で大敗から巻き返すのは桜花賞組で、かつその桜花賞で人気になっており、2走前は重賞勝ちという確たる実力馬であった。

今年でいえば、クラヴァシュドール、サンクテュエール、マジックキャッスル、マルターズディオサ、ミヤマザクラあたりだが桜花賞で大敗していたが、2走前にチューリップ賞を勝ったマルターズディオサ、クイーンCを勝ったミヤマザクラあたりに巻き返しの余地があると思われる。

が、今年のその2重賞はいずれもタイム差なしの接戦だったので、そこで2着だったクラヴァシュドール、マジックキャッスルはどう判断すればいいのだろうかという話にもなってくる。

それならば桜花賞時の人気で判断しようと人気を見れば、マルターズディオサ5番人気、クラヴァシュドール6番人気、ミヤマザクラ7番人気、マジックキャッスル8番人気、はい、全部消えた。

ただし、今年の桜花賞は7番人気のミヤマザクラが10.4倍でそこまでが大混戦、8番人気のマジックキャッスルが離された24.4倍だったから、そこを境として人気で完全に消していいのはマジックキャッスルだけでいいかも。

 

桜花賞時の人気

過去10年30頭中16頭の桜花賞組が馬券になっているが、桜花賞で4番人気以下だった馬は4頭。前走大敗組の巻き返し云々に関わらず、桜花賞で人気になっていなかった馬はオークスでも苦しい。

桜花賞を4番人気でオークスで馬券になった馬

桜花賞7番人気2着 クルミナル オークス2着

これは先ほども述べたが道悪のチューリップ賞を大敗し、桜花賞で人気が急落したもの。

桜花賞5番人気3着 ヌーヴォレコルト オークス1着

チューリップ賞2着からの参戦、それ以前に牡馬混合特別勝利

桜花賞4番人気10着 メイショウマンボ オークス1着

フィリーズレビューを勝っての参戦、それ以前に牡馬混合特別勝利

桜花賞4番人気2着 ヴィルシーナ オークス2着

クイーンCを勝っての参戦、それ以前に牡馬混合特別勝利

 

クルミナルやヴィルシーナのように不当に人気を落としていた馬もいるにはいる。

今年のマルターズディオサ、クラヴァシュドール、ミヤマザクラあたりも本来なら桜花賞で人気になっていい参戦だったことを思うとまだ酌量の余地はあるのかも。焦って消すにはまだ早すぎる。今宵はまだ火曜日だ。

ただ、それでもここでは桜花賞組は、基本そこで3番人気以内というスタンスで。

それ以下の人気だった馬の救済条件は2走前の重賞勝ち実績、それ以前に牡馬相手実績があるのが理想のようだ(クルミナルはエルフィンS勝ち)。

 

さて、私はこれを過去の戦歴と見比べながら書いているので理解できているが、字面だけだと訳が分からなくなってきた頃合いだと思う。

実は自分でもデータがごちゃごちゃしてきてよく分からなくなってきた。何か同じことを重複して検証しているような錯覚にも陥ってくる(錯覚ではないかもw)。

おそらく最初は全体のデータとして検証していたのだが、途中から桜花賞組に特化したことでごちゃついてきた(笑)

よって強引にまとめてしまおう。

まとめ

桜花賞組で上記で挙げたデータから買えるのはデアリングタクトサンクテュエールだけ。あとは2走前に重賞を勝っているマルターズディオサ、ミヤマザクラを桜花賞時の人気には目を瞑って買うかどうか。

桜花賞で6番人気かつ2走前も重賞を勝ってはいないクラヴァシュドールはデータでは消しだが、チューリップ賞の鼻差2着を無理やり勝ちに等しいとしてしまうか、もしくはサリオスに善戦した実績を牡馬混合実績とするか、この辺りもさじ加減ひとつとなろう。

2走前に重賞を勝っていても、マルターズディオサは短距離志向が強く感じるし(マルターズという冠名のイメージもあるかもだが)、ミヤマザクラは乗り替わりが気になる。

福永騎手は抽選対象のリリーピュアハートを選んだということだろうか。そうなると、俄然リリーが気になってくるのだが。

 

さてさて、今宵も夜が更けてきた。

この後は桜花賞組以外の馬たちを臨戦過程の観点からチェックするつもりだったが、思いのほか長びいてしまったので、また次回。


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