ルメール騎乗なら、とりあえず軸(3着以内)までは大丈夫だろうと無難にお気にいってしまう悪癖を持つ私。
それでフローラSのスカイグルーヴで失敗し、天皇賞(春)のフィエールマンではうまくいった。今になって冷静に振り返れば、キャリアも浅く未知な面の多いスカイグルーヴは人気で軸にすべき馬ではなく(馬体重も大幅に減っていたし)、既に確かな実績を誇り、調整過程も順調だったフィエールマンは軸にするにふさわしい馬だったと思える。
今週もルメール騎乗のレシステンシアがカギとなるので、軸としてふさわしいか否かを検証していきたい。
レシステンシアを語る上で過去のNHKマイルに出走した牝馬を絡めて考えたい。
同じくルメール騎乗が騎乗して勝利したのがメジャーエンブレム、敗れたのがグランアレグリア。
牝馬として本レースを制したのがアエロリット、その時一番人気で敗れたのがカラクレナイ。
下記にそれらが本レースを迎えるまでの臨戦過程、実績、血統を後付けながらも記してみた。
メジャーエンブレム(1番人気1着)
臨戦過程(↑)
実績(◎)
血統(◎)
阪神JFを2馬身差、本舞台のクイーンCで5馬身差で楽勝。世代トップの実績を誇っていたことは疑いようはない。桜花賞では敗れたが、普段とは異なる揉まれる競馬での敗戦で、だからこそ次走(NHKマイル)に向けては臨戦が(↑)となった。本来のスタイルを貫けば好走してくる可能性が高いと推測できるからだ。実際NHKマイルでは逃げて持ち味を発揮して完勝。血統的にもこのレース得意なダイワメジャー(本馬が勝った時点ではそこまで実績はないが)。タフなレースとなるだけに、持続的に脚を使えて最後まで踏ん張りとおすタイプの合うレースといえる。
グランアレグリア(1番人気4着)
臨戦過程(→)
実績(◎)
血統(○)
2歳時に牡馬相手のサウジアラビアRCを3馬身半差で楽勝、朝日杯では3着に敗れたものの、桜花賞は2馬身半差で楽勝。このレースを迎える時点の実績という意味ではメジャーエンブレムをもしのぐほど。ただし、この馬の場合、朝日杯FSではアドマイヤマーズに完敗していた。そういう事実がありながらアドマイヤと再び相対した今回、本馬が1.5倍、アドマイヤが4倍台というのは明らかにゆがんだオッズといえるし、ブログでも本馬を過信できないことは述べていた。臨戦過程の(→)が示す通り、桜花賞を楽勝しての参戦はNHKマイルを走る上ではプラス要素とならない。それだけ楽勝するということは桜花賞の舞台に適性が高く、調子もそこに向けてピークに持ってこられたと判断できるから。NHKマイルは行きがけの駄賃のような参戦で、そこまでの上積みは見込めない。上積みがなくても能力の違いで勝つパターンもあるだろうが、本馬の場合、過去に負けた馬も出ていたわけで、決して抜けた能力の持ち主ではなかった。勝つ時の派手なパフォーマンスにより1.5倍の人気を集めたが、軸にするにはハイリスクローリターンといえたし、馬券外に敗れたのもそこまで驚くべきことではなかった。血統的にもディープ×米国と少し軽すぎたきらいがあった。
アエロリット(2番人気1着)
臨戦過程(→↗)
実績(▲)
血統(○)
本レースを迎えるまでは1勝馬だったので決して実績は高くないが、本コースで世代トップクラスのアドマイヤミヤビと接戦を演じていたことはプラス。さらに桜花賞が本来のスタイルとは全く異なる追い込みで5着。これは自身の力を最大限に発揮しての5着ではないと推測できるので臨戦過程もやや上向きの評価となる。血統的にも、この時点でクロフネ産駒が本舞台に合うことは、同じ芦毛のホエールキャプチャが証明していた。そして、これは今だから言える結果論になってしまうのだが、この時の一番人気が後述するカラクレナイだったようにかなりレベルの低い年でもあった。出走メンバーで重賞を勝っていた馬がカラクレナイ(フィリーズレビュー)、ミスエルテ(ファンタジーS)、モンドキャンノ(京王杯2歳S)、トラスト(札幌2歳S)、ジョーストリクトリ(NZT)という布陣で、ほとんどが2歳時の実績、3時時にNZTを勝ったジョーストリクトリも12番人気でのフロックに近い勝利。今年のNHKマイルの布陣とは比べものにならないのであまり参考にはならないといえようが(桜花賞上位馬が参戦すれば毎回好勝負できるとは安易には言えないということ)、そんな中でも桜花賞で4着だったカラクレナイが大敗し、5着だったアエロリットが優勝したことは興味深い。これは臨戦過程や地の利、東京コース実績などが影響していると思われる。
カラクレナイ(1番人気17着)
臨戦過程(↘)
実績(△)
血統(△)
前記アエロリット優勝時の一番人気馬だが、いまだになぜこの馬が一番人気だったか分からない。こうした馬が一番人気になる時こそ、網を広げて穴をゲットしたいものだが、さすがに2着のリエノテソーロは読めなかったし、私自身当時の本命はモンドキャンノでもあった。それはともかく、本馬はフィリーズレビュー勝利の勢いを駆って桜花賞でも僅差4着と激走した。当時の絶対女王と目されていたソウルスターリングにクビ差まで肉薄したことが、ここでの人気に拍車をかけたのだろう。とはいえ、桜花賞では本来の追い込みのスタイルを貫き、全能力を出し切っての激走と思えるわけで、次走での上積みは見込めない。さらに血統もローエングリンと強調材料はなし。追い込みという脚質も直線の長い府中に合うようで実はイメージだけのもの。いろいろと突っ込みどころの多い人気馬だったわけだ。
以上、過去の話なので知ったように語ったが、私が臨戦過程を用いて検証する筋道というか考え方は分かっていただけただろうか。
で、肝心の今年のレシステンシアだが
レシステンシア(1番人気?)
臨戦過程(→↗)
実績(◎)
血統(◎)
阪神JF5馬身差は歴史的名牝ヒシアマゾンと並ぶ最大着差で、アマゾンのその後の成績を考えれば本馬の未来も相当に明るいと思えるが、アマゾンは有力馬の一頭として阪神JFに参戦し差して圧勝したが、レシステンシアは伏兵の一頭として参戦し逃げて圧勝した。断然人気のリアアメリアが後方脚質だったことも幸いしたし、リアアメリアを封じるにはこれしかないという鞍上の開き直りの騎乗が功を奏した感もある。
それでも5馬身だから本馬の能力がこの世代上位であることは間違いないが、あのレースが本馬にとって最も良い状況下においてなされた結果であることも確かだろう(コース、展開、バイアス全てがかみ合った)。よって、今後あの時ほどのパフォーマンスを再現するのはなかなか難しいだろう。
実際、当時5馬身つけた2、3着馬に次走ではあっさり逆転された(そのこと自体は試走感もあったので問題視はしないが)。桜花賞ではそれらを再度逆転してみせたが、それは最大目標に向けての渾身の仕上げと本馬のスタイルに合った馬場や展開ということもあったろう。今回、冷静に予想する上では阪神JFの強すぎた残像は一旦脳裏から切り離した方が良いようにも思える。
桜花賞で抜けていたのはデアリングダクトであって、本馬がここからどれだけ上昇するかという点にはいささか懐疑的な面もある。そういう意味では前走に引き続いて人気するであろう今回は、初の牡馬との対戦、初の関東遠征ということを考えても、馬券のセオリーからは軸としてはふさわしくないという見解となる。
それでも本馬を昨年のグランアレグリアほど軽視できないのは、本馬がダイワメジャー産駒ということと、なんだかんだ桜花賞では一番人気で負けているという点(人気で敗れるということは全能力を発揮しきれなかった可能性もあるので、次走での上積みが見込めるかもしれない)があるからだ。
こうして綴りながらも正直まだ迷っているのだが、とはいえ、本馬の最大のパフォーマンスを発揮する条件はかなり狭いレンジの中でのものであるし、阪神JFのパフォーマンスを発揮できれば楽勝もあるのだろうが、府中でそれを発揮できる保証はないといったところだ。よって、中途半端ではあるが、今回この馬は3連系なら2列目あたりの評価が妥当という見立てとしたい。
さて、本来この後は穴馬の見解を書こうと思ったが、ついつい文章が長くなってしまって、レシステンシアだけで疲れてしまったので一旦ここで締めたいと思う。昨夜は地震の警報で叩き起こされて深く眠れなかったんだけど、それでも起床は5時台だからこの時間くらいになると再び眠くなってくる(現在朝10時)。今日は想定チェックもあるし、週末に向けてNHKマイルだけに関わっていられなくなるかもしれないけど、気が向いたら他馬についても更新しやすね。
特別戦注目馬。人気先行タイプだけど今回少しでも人気が落ちるようなら巻き返し必至
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。
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