懐古
グレード制導入後の1984年以後、皐月賞を勝ってダービーでも1番人気になった馬は14頭いて、うち13頭が3着以内。
唯一圏外に敗れたのは不良馬場の18番枠発送となったアンライバルドのみという歴史が、今年のサートゥルナーリアを馬券から外すことの無謀さを物語っている。
エアシャカール、ヴィクトワールピサ、イスラボニータ、ディーマジェスティらは勝つことはできなかったが、3着内は死守。それまでにも何度も敗戦を喫していたエアシャカール、弥生と皐月の勝利が道悪だったヴィクトワールピサ、距離に不安のあったイスラボニータ、皐月を人気薄で大駆けしたディーマジェスティらはある意味飛んでもおかしくはないダービー1番人気の皐月賞馬だが崩れなかった。やはり皐月を勝ってダービーで1番人気に支持された馬はよほどのことがなければ崩れない。
上記の馬以外では、シンボリルドルフ、トウカイテイオー、ミホノブルボン、ナリタブライアン、ネオユニヴァース、ディープインパクト、メイショウサムソン、オルフェーヴル、ドゥラメンテといった面々が、皐月賞を勝ってダービーで1番人気に支持されて2冠を達成した。
G1を5勝のメイショウサムソンあたりが地味に映ってしまうほどの稀代の名馬と呼ぶにふさわしい面々。そこに加わる資格をサートゥルナーリアは持っているというわけだ。
だが何故だろう。
異端ローテのせいなのか、2歳時の戦ってきた相手が弱かったせいなのか、皐月賞が意外にも辛勝だったせいなのか。
ダービーの時点でまず負けないと思われた歴代の前述馬の多くと比べると、どこかサートゥルナーリアの場合は隙があるような気がしてならないのだ。
………
今年
というようなことを昨年のダービー時に記していた。
皐月賞を勝ってダービーで1番人気になればよほどの悪条件でなければ崩れない。だからサートゥルも崩れようがない。ただ…サートゥルナーリアに関しては隙を感じる。感じてはいたのだ。
よって私はダノンキングリーを本命として、サートゥルと共に頭に据えた3連単を買ったのであった。
断然人気だったサートゥルに一抹の不安を感じたまでは良かったのに、ここが私の詰めの甘いところで、普段はメイン券種としている3連複を厚めに買っていればねってところだ、複でも120倍もついたのにね。
さて、昨年のこの記事をヒントにすれば、去年のサートゥルがデータブレークするまでは、鉄壁だったはずの皐月賞を勝ってダービーで1番人気となった馬がよもや2年連続で崩れると考えるのは無理がある。
唯一コントレイルに懸念があるとすれば、それは去年のサートゥルナーリアと同じローテーションということだ。確かに、この一見省エネとも思えるローテを懐疑的にとらえ、昨年もサートゥルよりダノンを上に取ったのだ。
私が思うに本来は前哨戦を8分で叩いて皐月賞を9分以上に持っていき、ダービーで100%に持っていくのが理想。
去年の皐月賞のサートゥルが何分のデキで皐月を勝ったかは知る由もないが、あれだけ苦戦したのは陣営にとっては誤算だったはずだし、8分だろうが10分だろうが反動が出てもおかしくはなかった。
今年のコントレイルも反動の懸念がないことはないが、サリオスとの着差は、昨年サートゥルが薄氷を履む思いでヴェロックスやダノンキングリーを退けた時ほど危ういものではなかったように映る。
実際、ゴール後はサリオスとの差をさらに広げる格好だったし、着差以上の強さを見せたといっていいのではないか。
よって、今年のコントレイル、乗り替わりもなければ、大歓声もない、すでに府中実績もあるということで、サートゥルの二の舞はないとの見立てから本命だ。
◎コントレイル
誰でもわかる断然人気を本命にするのにここまで語るかという感じだが、私は常に、まず人気馬が信頼に足るか足らぬかという視点から予想に取り組むので、この足がかりは重要なのだ。
そしてこの手の人気馬が堅そうというレースがダービーでなければ、つまらないのでパスすることも多い。本当に買うべきレースは人気馬が怪しいと思うレースでこそとの思いがあるからだ。
さて、ここからはコントレイルが2冠を達成すると想定した上で話を進めよう。
そこで冒頭に挙げた皐月賞を勝ってダービーも制した馬たちの2着馬たちがどんな馬だったかを検証したが、それらはいずれも皐月賞で2着に下した馬たちではない。
シンボリルドルフ
皐月賞時2着のビゼンニシキ→ダービー14着
ダービー2着スズマッハ(NHK杯6着)
トウカイテイオー
皐月賞2着シャコーグレイド→ダービー8着
ダービー時2着レオダーバン(青葉賞1着)
ミホノブルボン
皐月賞2着ナリタタイセイ→ダービー7着
ダービー時2着ライスシャワー(NHK杯8着)
ナリタブライアン
皐月賞2着サクラスーパーオー→ダービー不出走
ダービー時2着エアダブリン(青葉賞1着)
ネオユニヴァース
皐月賞2着サクラプレジデント→ダービー7着
ダービー時2着ゼンノロブロイ(青葉賞1着)
ディープインパクト
皐月賞時2着シックスセンス→ダービー3着
ダービー時2着インティライミ(京都新聞杯1着)
メイショウサムソン
皐月賞時2着ドリームパスポート→ダービー3着
ダービー時2着アドマイヤメイン(青葉賞1着)
オルフェーヴル
皐月賞時2着サダムパテック→ダービー7着
ダービー時2着ウインバリアシオン(青葉賞1着)
ドゥラメンテ
皐月賞時2着リアルスティール→ダービー4着
ダービー時2着サトノラーゼン(京都新聞杯1着)
次はダービーで1番人気になった皐月賞馬がダービーで2着及び3着に敗れた時の勝ち馬を見ていこう。
エアシャカール(ダービー2着)
ダービーの勝ち馬は皐月賞2着ダイタクリーヴァではなく、別路線アグネスフライト
イスラボニータ(ダービー2着)
ダービーの勝ち馬は皐月賞2着トゥザワールドではなく、皐月賞4着ワンアンドオンリー
ヴィクトールピザ(ダービー3着)
ダービー勝ち馬は皐月賞2着ヒルノダムールではなく、皐月賞3着エイシンフラッシュ
ディーマジェスティ(ダービー3着)
ダービーの勝ち馬は皐月賞2着のマカヒキ
かようにコントレイルが勝つか2着以上の場合、過去の歴史ではその相手に皐月賞2着馬(サリオス)の出番がないことを示唆している。
唯一、コントレイルが3着だった時にだけ、マカヒキのパターンで皐月賞2着馬がダービーを制す可能性があるということになるがさて。
ここではコントレイルが勝つと想定しているので、その時のダービー2着の相手馬の傾向を見ていくと、別路線(トライアル)を勝ってきた馬が目だつ。昔は2000mのNHK杯というトライアルがあったが、今はNHKマイルCとなっているので、近年でいえば、青葉賞か京都新聞杯を勝ってきた馬。
皐月賞組が2着に入ってこないのが不思議だが、2冠を制するほどの圧倒的な存在と皐月賞で共に走った馬たちは、もはや萎縮して能力を発揮できないのだろうか。そこで別路線を勝って気力のみなぎっている馬が2着に頑張る。そんな図式だ。
…が、しかし、今年、そんな活きの良さそうな馬が見当たらない。
青葉賞馬オーソリティの離脱は痛い。
今年の京都新聞杯の勝ち馬は、すでに皐月賞でコントレイルの軍門に下っているディープボンド。それは過去に京都新聞杯から挑んできた馬たちとは毛色が違う。それはプリンシパルSを勝ったビターエンダーしかり。
せっかく過去の歴史を紐解いたのに合致する馬がいないのが何とも無念だが、似たようなタイプの馬が一頭いた。それがワーケアだ。
この馬はルメール騎乗で過剰人気のきらもいもするが、ルメールがこの大舞台でサトノフラッグではなくこちらを選んだという事実を重くみたい。
私がゲットした皐月賞時のトレセン情報では、皐月賞に出せない調教師は文句ブーブーだったという。今や調教師ですらレースへの出走選択権のない時代。ワーケアに関しても、どこにも不安はなかったのだが、おかみのストップがかかってしまった。
おかみにも事情はあるだろうが、皐月賞でも上位入線するチャンスのあった馬を、決定的な理由もなく(表向きにはいろいろ言っているが)回避させた以上、このダービーである程度の成績を残さねば、調教師のみならず馬主に対してもメンツが立たない。
だからこそ、しっかりルメールを確保したのだろうし、今回のワーケアには皐月賞分の思いも詰まっているということだ。皐月賞を走らなかったことによる疲労の軽減、2戦2勝の府中コースにしてこの絶好枠、鞍上の当舞台の複勝率は60%を超えるもの。過去に歴史に照らし合わせてコントレイルの相手が皐月賞組でないと見れば、相手になるのは本馬しかいないと思えるので対抗に。
○ワーケア
過去には、皐月賞2着から3着と連続好走したシックスセンス、ドリームパスポートがいる。これらは皐月賞で好走しながらダービーでも人気にならなった差し馬ということで、サリオスの立ち位置とは全く異なる。サリオスというよりはガロアクリークがこれらの馬に似ている。皐月賞で好走しながらダービーでも色気を出さずに末脚にかけるそんなタイプ。頭は無理だが、馬券内という意味ならチャンスがあっていい。
▲ガロアクリーク
以下、臨戦過程評価で上向き評価のサトノフラッグ、能力に敬意を表してサリオス、別路線組がワーケアではなくこっちだったの!というオチも想定してサトノインプレッサ、SSの血を持たない馬だが臨戦上向きダーリントンホール
△サトノフラッグ
△サリオス
△サトノインプレッサ
△ダーリントンホール
コントレイルから行くならここまでか。いや、サリオス飛びも想定しているなら気になる馬は全て行った方がいいかもしれない。
×マイラプソディ(テン遅めとはいえCW終い10秒台は久々に見た)
×コルテジア(臨戦は上向きとしていたが、実は皐月賞の舞台が合っていたからこその7着健闘だったような気もして。今の東京では切れ不足だけど、オークスでもロベルト系はきたしねぇ)
×アルジャンナ(POG応援。成長途上の中途半端な状況で通用するレースではない。応援)
最終予想
◎コントレイル
○ワーケア
▲ガロアクリーク
△サトノフラッグ
△サリオス
△サトノインプレッサ
△ダーリントンホール
―――――――――――――
×マイラプソディ
×コルテジア
×アルジャンナ
以上、“皐月賞馬がダービーで1番人気になった時の過去の歴史になぞらえた予想”でした(長いw)
更新のモチベになっております。応援よろよろ。
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。
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