☆レガレイラ(→)間隔を空けたローテで悪くないが、昨年ほどではない
◆連覇なるか?
有馬記念を連覇した馬は過去にスピードシンボリ、シンボリルドルフ、グラスワンダー、シンボリクリスエスの歴史的名馬だけ(1年越しで2勝したのもオグリキャップ、オルフェーヴルでこちらも圧倒的な名馬)。
レガレイラはテイエムオペラオーやディープインパクトでさえ成し得ていない偉業に挑むわけだが、昨年の有馬記念は前2走で人気を裏切り余力十分で臨めたし、枠、流れ、鞍上の絶好のアシストなど全てが噛み合っての結果。容易に再現性を求めるのはどうかという気も。
ただ、テイエムオペラオーが失敗した4歳から5歳にかけてより、3歳から4歳の連覇の方が可能性は高いことも確か。まだ未完成の3歳時に古馬相手に戴冠できた馬なら、完成期の4歳時ならより有利に戦えるというのは当然の話で。実際、シンボリルドルフ、グラスワンダー、シンボリクリスエスの3頭は、3歳から4歳にかけての連覇(スピードシンボリの時代は1960年台だし参考外で良さそう)。
◆不安点
前2走ともに勝っている点。というのも、過去に連覇を達成した馬でも、シンボリルドルフは前走のジャパンCこそ勝っていたが、秋初戦の秋天は3勝クラスの馬に取りこぼすという失態を演じていたし(ある意味そこで走っていない分余力を残せたとも)、グラスワンダーは2連勝中ではあっても、宝塚記念→毎日王冠の上期と下期の連勝で余力的には十分すぎるほど。シンボリクリスエスも秋の天皇賞を勝った後、ジャパンCを3着に敗れ、ある意味ガス抜きをした後の有馬記念で。
始めから有馬記念を狙ってくる馬などいないため、いかにこの年末まで余力を残せるかもカギとなるのがこのレースの本質。レガレイラの秋の最大の目標はエリザベス女王杯だったはずで、しかもオールカマーも勝利しての参戦となると、状態面はいいとこ横ばい。余力十分だった昨年よりは出涸らし感あり。
連覇を目指す馬のみならず、過去10年で2連勝後に好走できた馬は意外と少ない。近5年では該当馬がなく、それ以前の5年で6頭。その6頭のうち、秋2走しての連勝馬は、
・ゴールドアクター 1着
3勝クラス→アルゼンチン共和国杯
・キタサンブラック(3歳) 3着
セントライト記念→菊花賞
・サトノダイヤモンド(3歳) 1着
神戸新聞杯→菊花賞
・キタサンブラック 2着
京都大賞典→ジャパンC
・レイデオロ 2着
オールカマー→天皇賞(秋)
2走前が条件クラスだったゴールドアクターは疲労面の懸念なし。キタサンブラック(3歳時)とサトノダイヤモンドは3歳で気力体力十分、むしろ連勝していた方が良い臨戦(そもそも菊花賞組は1着馬が圧倒的有利)。
古馬勢ではレイデオロがジャパンCをスキップして余力十分で挑んだが、それでも断然人気で2着まで。疲労面が影響して敗れたとは言い難いが、やはり秋始動の3連勝は容易ではないということ(10年以上前には秋3冠制覇したテイエムオペラオー、ゼンノロブロイといったケタ違いの馬もいたが)。
レガレイラはレイデオロに似た感じのローテ。秋2戦はいずれも楽勝で疲労面がネックになるとも思えないが、昨年以上の好臨戦とも言い難い。今回のメンツで抜けたレベルにあるとも思えないし、好走したとしても頭は微妙だなというのが現状の見立て。
☆ミュージアムマイル(→)秋天からの直行ローテはある意味ベストだが、本馬の場合、秋天2着からの臨戦がどう出るか?
有馬記念は3歳馬の強いレースで過去10年中7年好走馬が出ているが、のべ10頭中9頭が前走で1番人気か1着、残り1頭はサートゥルナーリアで秋の天皇賞2番人気6着からの巻き返し。ミュージアムマイルは前走秋の天皇賞で3番人気2着からの参戦。どことなくサートゥルナーリアに似た感じの戦歴だが、当時のスケール感で言えばサートゥルナーリアの方に分があるし、前走人気も過去に好走した3歳馬のデータと合致していない。それにサートゥルナーリアは前走で6着に凡走していたこともむしろ良い方に作用した感じで。
ミュージアムマイルは既に高い中山適性を示しているため判断に迷うところはあるが、G1にしては超スローの秋天で好走したことが、有馬記念のレース質に結びつくとも思えない点がネック(向かない秋天の舞台で2着だから、中山ならもっとパパフォーマンスを上げてくるという見方もできなくはないが)。
秋天2着から直行でここに挑んで好走した例ではフィエールマンがいるが、彼にとって秋天より適性のありそうな舞台の有馬では3着と後退し、秋天では先着していたクロノジェネシスに逆転された。2年前のジャスティンパレスも秋天2着から有馬1番人気4着と後退しているし、秋天組なら前走1着馬がベスト(該当馬は力が抜けているケースが多いのもある)、それ以外なら秋天で人気を裏切り軽く凡走した馬の巻き返しが有望(サートゥルナーリア、クロノジェネシスなど)。そういう意味ではミュージアムマイルより、メイショウタバルの方が臨戦的にはいいのかなと思ったりするが、タバルもタバルで難しい面があり。
☆ダノンデサイル(⤴)気性など諸々課題はあれど、秋1戦余力十分ローテは悪くない
以前ほど好走例の少なくなった前走ジャパンC組だが、2年前は同組が上位独占したし、悪いローテでもない。ジャパンC組は1着馬が連続好走するのは容易ではなく、過去10年で連勝に挑んだキタサンブラックが有馬で2着、シュヴァルグランが3着と後退。キタサンブラックは4歳時はジャパンC3着から有馬1着と前進したように、ジャパンCで軽く凡走している形がベター(大敗からの巻き返しは以前は散見されたが近年は厳しくなっている)。2年前のドウデュース、スターズオンアース、タイトルホルダーもジャパンC④③⑤着から①②③着と前進。
というわけでダノンデサイルのジャパンC3番人気3着は程よい塩梅。昨年の3着馬だし、今回の舞台に繋がるAJCCの勝ち馬でもあり、無難ながらも軸に相応しいのかなと。
【穴候補】
今回に限らないが、穴馬は実力(実績)がありながら近走の不振で見切られた時の逆襲ケース。古い話だが、有馬記念を逃げ切ったメジロパーマーは同年の宝塚記念の覇者(しかも楽勝)。その馬が有馬では15番人気は舐められ過ぎだろう(おそらく今の時代ならここまで人気薄にはならなかったろうね)。14番人気2着アドマイヤモナークも上期に重賞連勝があり、13番人気3着だダイワテキサスは前年重賞2連勝(1勝はオールカマー)、同年も重賞を3勝(1勝は中山記念)、前走ジャパンC5着していながらこの低人気。
同年に重賞勝ちは必須。それでいて人気を落としている馬をすくいあげたい。
☆アドマイヤテラ(→)
菊花賞3着後に、OP重賞連勝ならギリ過去の穴馬に倣った戦歴。前走の競走中止での1着をどう捉えたらいいかは何とも言えずも、友道厩舎も川田騎手も空気になっている時ほど注視しておかなければならない存在であることは確かで。
☆シンエンペラー(→)
つかみどころのない馬だが、昨年のジャパンC2着、今年も海外で重賞制覇。ホープフル2着、弥生賞2着で中山との相性も悪くない。
☆タスティエーラ(→)
クイーンエリザベス二世Cで楽勝。秋2戦の内容も着順ほど悪くなく、東京で切れ負けの現状から中山替わりも悪くない。
☆マイネルエンペラー(休)
同舞台の日経賞覇者。春天5着も3角から先頭に立つ堂々たる内容で順調ならここでもチャンスはありそうだが、さすがに春天からの復帰戦だと厳しいか。
※メイショウタバル(⤴)、ジャスティンパレス(→)あたりはローテも前走着順も悪くはないが、それなりに人気するだろうし、良い面ばかりではなく、悪い面も突いていきたいなと。メイショウタバルはとにかく好走レンジが狭く、ジャスティンパレスは近2走が全力の走り、中山替わりもプラスとは言えず。ミステリーウェイ(→)は前走アルゼンチン1着でゴールドアクターと近似ローテだが、さすがに7歳でのG1初参戦は遅すぎたきらいがあるし、脚質的にも楽ではなく。
現状の全体感はこんな感じ。レガレイラ、ミュージアムマイルは重箱を突きたい死角があれど、結局ルメデムを軽視すると痛い目に遭うことは先週実感したばかり。どちらかが飛んでも両方飛びの可能性は薄いか。戸崎騎手には自ら選んだダノンデサイルで意地を見せてもらいたいところ。
あとは枠も大事なレース。今から枠順確定会が楽しみ。あれをみんなで同時視聴している時の高揚感、盛り上がりはかなりのもの。毎年の良きイベントになりましたな。
馬券の上では有馬記念も未勝利戦も同等に考えていますが、やっぱりワクワク感は全レースの中でも群を抜いている。去年も一昨年も8枠16番の馬が絡んだりして、以前にも増して難解度を増し、個人的にも痛快の当たりはオルフェーヴル(3歳時)の勝った年まで遡らないといけない相性の悪いレースなんですけども(何年前だよ?って14年前だった…)。
どんな形であれ有馬記念を当てるのと外すのでは年末年始のテンションが格段の違い。昨年はダノンデサイル本命、レガレイラも高評価していたが、シャフリヤール消しでハズレ。レース後に暗澹たる気持ちでスーパーに買い物に行ったのですが、スーパー内でもずっと、「なんでここでシャフリヤールが来るんだよ…」と悔しさあまって呪詛のように唱えていたせいで(もちろん心の声)、セルフレジの処理でお金を支払わずに出ようとしてしまい、係の方に「お客さん、入金されましたか!?」と呼び止められてしまった苦い思い出(下手したら万引き扱いになるところだよ)。
そんなことがあったせいか、そのスーパー、今はセルフレジは入金後に出てくるレシートのQRコードを出口でかざさないとレジコーナーから出れないような仕様になってしまった。ごめんなさいね、あの時は本当に抜け殻になっていたので、決してわざとじゃないんです(当たり前)。
そんな昨年の苦い思い出も思い浮かんで今年は何としても当てたいのです。レース後またそのスーパーに行って、お酒は飲まないけども、ちょっと贅沢な美味しいものなど買って、嬉々としてセルフレジで入金処理したいです。
どの馬も善し悪しあって悩ましいですが、その悩みすら快楽として今週いっぱい楽しんでいこうと思います。
では、今週もよろしくお願いします。
↑特別戦からの注目馬

1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。