先週の重賞は破壊力ありすぎました。東西でここまで波乱だったことは記憶にないレベル。
札幌記念のトップナイフは近2走が試走感ありありで、本番のここで横典に乗り替わり、おそらく今回は差しに転ずる、そうすれば良い脚を使えそうという見解を出していたけれども、この馬を本命に推す胆力は私にはなく。
2着ココナッツブラウンは普通に買える馬ではあるけれど、当初穴なら面白いと思っていた馬がよもやの2番人気では買う気が起きず。結果的にこの馬を支持した方の見立てが正しかったわけで、改めて今の競馬ファンの慧眼には脱帽。
3着アラタに関しては、最初の段階で「無理」と決めつけてしまう悪い癖。終わって振り返れば、7歳末の重賞で強い勝ち方をしていた馬。8歳だからといって最初からノーマークはないでしょうとは思いつつ、まぁどのみち手の出ない馬ではありました。
トップナイフにアラタ、いずれもやや時計を要する特殊な馬場の恩恵があったとはいえ見事な激走。馬券的には完敗ですが、こうした筋書きのないドラマがあるから競馬は面白く、夢があるとも。また、今回のアラタを教訓に、より一頭一頭の精査を重ねなければと思った次第。
今年の夏の重賞は初めから無理ゲーと思ってしまったコレペティトールやマイネルメモリーといった激走もあって、すごく試されているなという感じもしていて。レパードSでは周りの無理無理という雰囲気に流されず、ルヴァンユニベール、ヒルノハンブルクといった人気薄にも印を回せたのにまた振り出しにという感じに。
中京記念に関しても、さすがに川田、坂井、松山の操る、エルトンバローズ、エコロヴァルツ、キープカルムのいずれかは馬券になるでしょうという固定観念があった上での予想になってしまい…
この概念が刷り込まれていた以上、馬券の的中は難しかったでしょうが、せめて臨戦過程1位のジューンオレンジに本命を打てる胆力があればなとも思います。
勝ったマピュースに関しては、週初の段階では古馬相手では厳しいかなと思っていましたが、横山武騎手がわざわざ札幌から参戦という状況、かつ絶好枠を引いたことで対抗印を打つほど評価を上げたので、勝ち切った点に驚きはないものの、信頼を寄せている川田騎手を袖にしてまで筆頭評価にすることはできず。
シンフォーエバーも1度は穴馬候補として見解を書いたのですが、川田騎手や坂井騎手がさすがに楽逃げは許さないでしょ、というこれまた希望的観測というか固定概念が邪魔をして、最終的には消し。
札幌記念に比べると個々の馬だけなら買えないこともないのだが…とは思いつつ、やはり1~3番人気総崩れの状況は想像もできず(外枠に入ってしまったキープカルムには危うさを感じていましたが)、いかに思い込みというか固定概念を外すかも課題となった先週の両重賞なのでした。
重賞に関しては反省しかない先週でしたが、競馬は続くよどこまでも。
というわけで、今週のキーンランドCがまたまたいろいろと試されそうな状況の大混戦。週の初めでもありますし、まずは先入観をばっさり捨てて、何とか的中に近づけるように各馬を見ていきます(メリハリをつけるために臨戦評価の良し悪しをハッキリさせるように努めていきます)。
ウインカーネリアン(⤵)B
馬柱の通りの能力上位は歴然。何気に3年前からG3以下では【4-2-1-0】と一切崩れていない。そこに前走でG1連対という勲章も加わった。そしてG1からG3に降格なのに前走から2.5キロ減も歓迎要素。純粋な能力比較の面だけで考えれば筆頭評価が必要なレベル。ただ、今回は前走のG1で出し切った後、オーバーホール明けの一戦。その観点から臨戦評価は下降と判断。8歳とはいえまだまだ高みを目指す馬でここが大目標でもないだろう。
エーティーマクフィ(⤵)C
もともとOP上位の力があり、デビュー当初は芝で好成績を挙げていた馬。前走の12番人気は過小評価だったのだろうが、とはいえ展開も含めて全てがハマった印象。ダートから芝替わりで走った後でそのアクセントも今回はなく、さすがに前走は走り過ぎで反動も気になるところ。重賞のここで2番は利かないとみる。勝った直後でも全く人気にならないようなら少々思案はするだろうが、現時点では食指は動かない。
エトヴプレ(⤴)A
フィリーズR以降は不振が続くが、昨年の当レースは3歳馬ながら上位人気に推された馬だし、その後3戦しかしていないようにまだ燃え尽きているとも思えない。近走の阪神カップ、愛知杯はいずれも相手が強い上に展開も向いていない。2走前の1200m戦では控えて崩れず新たな一面を見せているし、同様の立ち回りができるようならまだ見切れない。穴として面白い。
カルプスペルシュ(⤴)B
シュヴァルグラン産駒ながらセレクト4400万の値を付けた馬。この馬を見出したエージェントが誰かが気になるところだが、何にせよ洋芝に変わってからの近走の勢いは無視はできない。とはいえ今回は頭数増でレース質も上がってくるし、今まで通りには行かないだろうとも。主軸に推すことはなさそう。
カルロヴェローチェ(→)B
NHKマイルCで1番人気に推された素材が2走前にようやく復活。この時は臨戦過程の良さを生かしての好走だったが、臨戦過程が良いとは言えない前走でも4着と連続好走したことで、ようやく去勢の効果が出てきたかなとも。アイビスSDからの異端ローテは魅力的だし、洋芝替わりに悪いイメージもない。人気次第で面白そう。
クファシル(→)C
前走は4着でも外枠から正攻法に立ち回って勝ち馬とタイム差なし。とはいえ12着までクビ以上の差の付かない大接戦で、本馬に後塵を拝したジョーメッドヴィン、プルパレイ、ゾンニッヒとも0.2差しか離れていない。そうした馬たちと本馬を比較した時に、より魅力的なのはUHB賞で能力を発揮し切れなかった馬たちの方かなと。本馬はノーズトレスで自身の競馬は出来ていたし、相手強化のここで前走以上があるかとなるとなかなか難しいところ。
ジョーメッドヴィン(⤴)B
大接戦UBC賞5着馬。この組の今回のパフォーマンスの上げ下げを予測することもカギとなってきそう。本馬は2~3走前こそ出遅れていたが、スタートを決めた前走でようやく本来の走り。最後は甘くなったとはいえ、見せ場十分だったのはクファシル同様。本馬もOP入り後の好走がなく、地力面では一枚見劣るが、3走前の函館SS7着は評価していい一戦。この時は出遅れて自身の競馬が出来ない中で33.2の最速上がりは使えていた。後方から行ったというのはあるが、そこまで切れる脚を使える馬ではないし、洋芝との相性が良いのだろう。前走の負け方も悪くないので、程よい位置から溜めを利かせられれば前走以上。重賞での相手関係はあるが穴としては魅力。
ゾンニッヒ(→)C
本馬もUHB賞組。10着とはいえ着差は僅か。短距離ではその僅かが大きいと言ってしまえばそれまでだが、常に上位の上がりは繰り出せるので、展開次第で一発が期待できそう。昨年の当レースは川田騎手を配してきたが、あいにく臨戦過程が悪かった。7歳になってもダービー卿で僅差5着があって能力は通用。あとは2走前の後に武豊騎手が言及していた「この馬は少頭数の方が良さそう」という談話がどう出るか。確かにほぼ最後方付近から行くので、頭数が少ないに越したことはなさそう。差し込んでは来るが善戦までというイメージもついてしまう。
ツインクルトーズ(⤵)D
走り頃に感じた前走で大敗。能力以前の問題もあった可能性はあるが、さすがにリズムが悪すぎるし、そもそも重賞で通用する裏付けも見せていない。
ティニア(⤴)B
前走は最悪の臨戦過程で戦前から厳しいことは読めていた。その中で後方から厳しい立ち回りを強いられ最速上がりを使っての5着なら酌量の余地ある敗戦。まだ重賞で通用する裏付けはないが、3勝クラスでロードフォアエースを下し、昇格後もヨシノイースター、ペアポルックスらと差のない走りが出来るならG3なら通用可能。フランケル産駒で洋芝の適性も高そう。
ナムラクララ(→)C
古馬相手の3勝クラスを一発回答したように、さすがナムラクレアの下という感じだが、臨戦過程が良い中で辛勝であった点は気に掛かる。まだ先行策しか取ったことがなく、テン34.8だった前走から今回の速い流れに戸惑う可能性は大きそう。良血ゆえに人気しそうな状況も鑑みて、現時点では評価を低めとする。
パンジャタワー(⤴)B
新馬勝ち直後に東京1400mのタフな重賞を勝つだけの地力を前走の大一番で発揮。しかも決して良い臨戦とは言えない中で外目を回して堂々の勝ちっぷり。着差はわずかでも、後方から決め打ちした2着馬(マジックサンズ)より断然強い内容だった。新馬で1200mは勝っているし、2走前の後にNHKマイルではなく函館SSに回ろうかと検討されたぐらいで距離不安はなさそう。ただ、京王杯、NHKマイルともに延長臨戦で勝ち取ったタイトルになる。血統的には短縮臨戦を好みそうなイメージだし、臨戦過程だけで見ればメンバーでも1、2位を争う。それでもあえてBにしたのは、人気必至な点、大一番を勝った後のG3(おそらく狙いはスプリンターズS)、現実問題として短縮臨戦では結果が出ていない点などを加味してのこと。人気次第で評価を上げる可能性はあるが、あまりにも未知数な状況で、同じ未知数でもオッズのついた前走時とは大違いなのがどうか。
フィオライア(⤵)C
前走は2走前大敗後でも2番人気というのに驚いたが、逃げて押し切ってしまったこともびっくり。確かにOP入りまでに7戦4勝の準パーフェクトに近い戦歴だったし、素質の高さは知っていた。ただ、この人気ではさすがに買いにくいという状況から結果を出してしまった以上、前走に関しては評価せざるを得ない。ただ、前走は鞍上の迷いなき逃げ戦法が奏功したことに違いなく、同じ戦法が重賞で通用するのは容易ではない。逃げない競馬もできる馬だが、逃げて勝ち切った以上、前走以上のパフォーマンスは疑問。
プルパレイ(→)C
去年制したUHB賞で今年は7着だが、着差は0.1で着順はあまり気にしなくて良さそう。昨夏に当コースのOPで連続好走した時は先行策を取っていて、今年も洋芝に変わって2走前から先行策を取れるようになっているのは良い兆候。斤量2キロ減。重賞勝ちの他にOP勝ちもあって全く通用しない馬でもない。舞台は合うので内枠でも引ければヒモ穴の資格は有していそう。
ペアポルックス(→)B
高松宮記念こそ大敗したが、相手強化に加えて制御の利かない先行策では致し方ない。G3レベルなら常に上位を張れる力があるし、前走の3着もやや強気に運び過ぎた印象。逃げ残った本馬以外、先行馬は厳しい展開となり、勝ち馬は4角10番手。逃げずに先行策の形がベター。今回は自然とそうした立ち回りになりそう。前走後、UHB賞には向かわず、ここ1本のローテも悪くない。
モリノドリーム(→)B
ひと息入った2走前の函館SSこそ不発に終わったが、前走で5着に前進して洋芝巧者ぶりは窺わせた。昨年の当レースは決して良い臨戦とは言えない中でサトノレーヴの4着(0.3差)。ナムラクレアやビッグシーザーには先着しているし、今年のメンバーなら十分上位を狙えていい。前走はいつもより先行策を取った分甘くなった感じなので、今回は本来の溜める競馬なら尚面白い。
レイピア(⤴)A
勝ち味に遅かった馬がひとつ勝つことでポンポンと出世するケースはあるが、まさに今の本馬がそれ。近走がスローデモハイでも何でもござれといった適応力の高さを示しているし、近2走が楽勝で余力を残し、万全の態勢でここに挑めそうな点も良い。前走のレース質が緩すぎたのと相手が弱すぎた点が馬にとってのギャップとなるが、前述の通りそこは適応力の高さに期待しても。
やはりかなりの混戦。状態や枠、ジョッキーの一瞬の判断も明暗を分けそう。最終的にはB以上から本命を導き出す予定も数えてみたら10頭もいるという。より期待値の高い馬、本命を打って例えダメだったとしても悔いなき馬はどれだろう…と今週を通して悩んでみます。
特別戦からの注目馬
☆先週こちらで挙げた馬
ヴェロクオーレorマイティマイティー
坂井騎手が騎乗した方が本命にするつもりがどちらにも騎乗せず、最終的にマイティマイティーに本命を打ったところ、ヴェロクオーレの方が2着でした
アッケシ
想定段階より強い馬が入ってきてしまい…良い競馬はしてくれましたが

1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。