ジャパンCといえば我が愛しのカツラギエースが日本馬最初の優勝馬である。シンボリルドルフと思っている方もいそうだが、そこはしっかり認識しておいていただきたい(そもそも誰もそんなこた考えてないか)。
この時期が来ると毎年のように当時のJCの映像を見ては心を震わせてしまう。そして、当年宝塚記念馬にして、京阪杯、大阪杯、毎日王冠も勝っていた馬が10番人気とは、当時のファンはどんだけ馬券下手なんだよ…と未来の今だから思ってもしまう(笑)
前進気勢が強くデビュー戦は1200mだったカツラギエース。京都新聞杯でミスターシービー以下を大きく千切りながら本番の菊花賞は大敗した過去もあった。カツラギのベストは2000m、称号は中距離の王者。だからこそ10番人気だったということもあるのかもしれない。
鞍上西浦があと2Fをどう持たせるか思案して出した策が、馬と喧嘩せずいかに気分よく走らせるかというもの。スタートから仕掛けるでもなく馬の気任せに逃げていたら、いつの間に後続とは大差がついていた。そんな状況でも長手綱のままゆったり先陣を切るカツラギの雄姿は今も勇ましい。西浦も一切後方を意識せず、カツラギの気分を害さないことだけに集中していたという。
宝塚記念を楽勝した馬がそれだけ楽に行かせてもらえば直線止まるはずもなし。一度は世界の強豪とシンボリルドルフに迫られるも、再び脚を伸ばして先頭ゴールイン。嗚呼、何ともかっこいい。当時の日本の最強馬がどれだけ頑張っても敵わなかった世界の強豪を始めて打破した瞬間である。
今では日本馬が常勝すぎて、もはや単なる日本最強馬決定戦のようになっていて、日本 VS 世界の強豪のワクワク感がなかったが、今年は久々に勝負になりそうな馬が来日してくれてありがたい限り。まぁ日本馬ですら大挙香港に遠征してしまうくらいだから、多くの外国馬が香港に出向くのも無理はないか…
さて、それはさておき、ジャパンCといえば前走天皇賞(秋)組を買っておけばよろしい。
過去10年で秋天組が好走できなかったのは2016年だけで、この年の該当馬は秋天2着のリアルスティールだけ。この馬は臨戦的にまず好走できないと見ていたので例外とする。今年は4頭の該当馬がいるので好走必至。
秋の天皇賞組の考察
2番人気1着 ドウデュース(⤵)
秋の天皇賞で2番人気以内に推された馬がジャパンCに出走した場合、10年連続(1、2番人気だった馬のいずれかが)好走中。2016年と2019年は秋の天皇賞で2番人気以内に推された馬の出走がなく、2016年は前述のリアルスティールが秋天では7番人気(2着)から凡走。2019年は秋天で2番人気以内の馬はいなかったものの、秋天組の2頭が①③着。ということは、データ的にはドウデユースの好走の可能性は高い。
あとは本馬自身の問題として、秋天が休み明けでの激走であったこと、極端な追い込み競馬であったこと、気性的に距離延長がプラスとは思えないこと…そういったことを加味すると、好走はしても前走のように突き抜けるまであるかどうかといったところ。
秋天を休み明けで勝った馬がジャパンCを連勝するのは容易なことではなく、近年ではアーモンドアイ、イクイノックスが偉業をなしとげているが、これらは秋天で先行策からの(余裕の)抜け出し。出遅れて序盤は後方から捲り上げる形になったキタサンブラックはJC3着まで。ドウデユースの前走の勝ち方はアーモンドアイ、イクイノックスらのような盤石の勝利でもなく、どちらかといえばキタサンブラック寄りで。
6番人気4着 ジャスティンパレス(⤵)
ドウデュースともども臨戦過程が下降としたのは、2走前(宝塚記念)が苦手な条件だったところから前走は条件好転した上での好走だったので、今回は前走ほどの臨戦面での上積みが乏しいという点から。ただ、前走で万全の態勢を敷いていたドウデュースに比べ、次走以降を見据えた仕上げに映った本馬は状態面の上積みはありそう。秋天組では連対馬以外では、差して届かずだった馬が距離延長でパフォーマンスを上げてくるケースも目に付くし、本馬自身も距離延長はプラスとなりそう。デムーロが前走で騎乗したダノンベルーガではなく本馬に騎乗するわけだから、ダノンベルーガより脈があることは明らか。
ただ、前走がいかにも次走に繋がりそうと思わせる内容だったことが却って微妙な感はある。前走であからさまな不利を受けたり、追い込んで見せ場十分の馬の次走は意外と不発に終わるケースも多い。それでも狙いたくなってしまう前走の末脚ではあったが…私自身も何だかんだと狙いたくなっている。
7番人気7着 ソールオリエンス(→)
2走前の宝塚記念が本馬にとっては上昇臨戦だったので、前走時は臨戦的には上昇の余地のない状況だった。よって7着といえども酌量の余地はある。近3戦とも5番人気以下の馬のJC好走例はなく(近10年)、皐月賞を最後に1勝もしていない点も大きく減点材料だが、こうしたバッドデータを覆せるのもG1馬でしかない。良馬場のダービーで2着に好走しているし、決して走れない舞台ではない。臨戦的には前走よりは多少良く、距離延長もプラスに思えることから現時点で無視はできず。
5番人気14着 ダノンベルーガ(→)
秋天二桁着順からの巻き返しは2015年のラストインパクト(秋天9番人気12着からJC2着)。ラストインパクトは前年の下半期以降にG2を2連勝していて、当年の天皇賞(春)でも勝ち馬から0.2差。秋天では直線前が壁でほぼまともにムチもくれることができずの不完全燃焼、JCでは人気の盲点になっていた面もあった。その上、絶好枠でムーア騎乗だから終わってみれば好走したのも不思議はない。
ダノンベルーガもG1でいくども惜しい競馬はしているが、年を経るごとにパフォーマンスを下げているし、前走は不利があったとはいえ、それだけでは説明の付かない大敗(仕上げの問題はあったろうが)。2走前のドバイターフで好走しているくらいだから極端な能力低下はないだろうし、ひと叩きしての臨戦自体は悪くないが、さすがに負け方が良くない点とデムーロが降りる点(松山騎手自体は悪くないが、積極的な乗り替わりは言えず)、また、これまで2200m以上での好走例がなく、2200m以上で好走例のなかった馬の好走は2014年のスピルバーグだけ。スピルバーグは2200m以上を走ったのが本格化前のダービー1戦だけだし、前走で秋天を勝って生涯ピークの状態で挑んだジャパンCだった。もろもろ考えても、やはり本馬の一変は厳しいのかなと(着順は上げたとて好走までは)。
秋天組序列
ドウデュース=ジャスティンパレス>ソールオリエンス>ダノンベルーガ
つまらない結論だが、着順通りの評価
これに臨戦過程1位チェルヴィニア、影の実力No1スターズオンアース、当レースと相性の良い菊花賞馬ドゥレッツァ、さらには未知数な外国馬や春先のG2連勝が記憶に新しいシュトルーヴェあたりもいて意外にも難解(的中はできたとしても手を広げられない意味で利益を出すのが難しいイメージ)。
京都大賞典からの直行ローテは臨戦的には1位になり得たブローザホーンだが、さすがに後方ままで機動力を見せられずに終わった後では厳しい印象。
基本的には堅いレース、観て楽しむレースかもしれないけど、木曜日の枠順確定も含め、底に至るまでの予想も含めて楽しんでいきましょう。
特別戦からの狙い馬
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。