狙い馬 競馬

2025 天皇賞(秋) 臨戦過程評価

菊花賞、◎ジョバンニは8着。折り合いに気を使ったのか、通過順9→9→12→16で持ち前の器用さを生かせぬ立ち回り。昨年のダノンデサイルが陥った内枠の悪夢再現となったわけですが、昨年ほどガチャガチャした流れではなかったし、松山騎手にはイチかバチかの勝負の騎乗を見せてもらいたかった…。でもきっと動くに動けず、外に出せずでどうしようもなかったのでしょうね。

松山騎手のレース後の談話「ゲートがあまり出なくて、うまく流れに乗れませんでした」

何とも淡泊な談話で拍子抜けしてしまうほどですが、まぁこれが全てではありますね…。バイアス不利な内目から一瞬伸びかけてオッと思わせるシーン(本当に一瞬でしたが)。結果、3着からハナ、クビ、クビ、¾、クビなんだからある意味強かったし、到底力負けとは思えず不完全燃焼の極みではありますが、馬券は結果が全て。参考にしていただいた方の参考にもならず、申し訳ありません。

イチかバチかといえば、魅せてくれたのがエキサイトバイオの荻野極騎手ですね。4角先頭、強気の騎乗、肉を切らせて骨を断つあの騎乗はゲルチュタールの坂井騎手あたりがやると思っていたのですけどね。荻野騎手のあの思い切った立ち回りがゲルチュタールの猛追を凌いだといっても過言ではなく、ゲルチュタール本命だった方は何とも痛恨の4着だったことでしょう。最近、「極」プリンにハマっているので、これが競馬の神からの啓示だったか…と思ってみても後の祭り(どのみち死角のある1、2番人気を主軸にする目もなかったので無理でした)。

個人的にミラージュナイトからもワイドを少々買っていたのですが、あの最後方待機もある意味イチかバチかの戦略だったんでしょうが、さすがにあれはやり過ぎでしょ…と買っている側としては思ってしまうのですが、その馬を選んだのも自分(選ばない自由もあった)と最後は納得させるしかなく。騎手も命懸けで最善は尽くしてくれているはずですしね。ジョッキーカメラの映像を見ると切にそう思います。

そういえば、エキサイトバイオの伯父が春の天皇賞馬で菊花賞でも3着に激走したレインボーラインだったことに気づいていた方もいるでしょう。私も当然チェックはしていましたが、そうだとしてもラジオNIKKEI賞からの直行は買いづらく。本馬がフィエールマンと同等レベルの馬か?と比較してしまうとヒモに押さえることすら容易ではなかったです。

最近のG!を見ていると、むしろ直近の前哨戦を使うことによる疲弊や反動の懸念の方が大きく感じるし、ローテの常識を覆していかないといけないなと感じ始めています。

さて、菊花賞は完敗でしたが、東京メーンの神無月Sは地味に的中。土曜の魚沼Sも本線的中でしたし、裏の地味なところで当たっています(当たらないよりは全然良いのですが)。
菊花賞とは違い、神無月の◎インユアパレス、〇ジャスティンアースの1、2番人気は信頼して、3着の13番人気タイセイブレイズを拾えたことも嬉しかったです。たまに訪れるこのエクスタシーがあるからまたやったるでという気持ちになれますね。

ということで今週は秋の天皇賞。個人的に最も好きなG1レースといっても過言ではありません。今世紀最大の名勝負もこの秋の天皇賞の、ウオッカvsダイワスカーレットvsディープスカイだったと思っています。それ以外にもエアグルーヴvsバブルガムフェローだとかも当時は今のように牝馬が勝てない秋天を牝馬が勝った!と興奮のるつぼでしたし、最近のイクイノックス、アーモンドアイ、エフフォーリアのレースなんかも記憶に新しい限り。過去10年の勝ち馬を見渡しても名馬しか勝っておらず、まずフロックの余地のない王道レース。

 

 

ただし、今年はメンツは揃った感はあるけれど、過去の名馬になぞらえるレベルの馬たちの参戦はない印象。国内G1馬は7頭いても、タスティエーラの海外勝ちを除くと全ての馬が2つは戴冠していないという。しかも、アーバンシック、ジャスティンパレス、ソールオリエンス、ブレイディヴェーグの4頭は最低でも1年以上は連対すらないという状況。現役感のあるG1馬はタスティエーラ、メイショウタバル、ミュージアムマイルの3頭ですが、これらとて去年までのドウデュース、イクイノックス(2年連続)、エフフォーリア、アーモンドアイ(2年連続)…といった名馬たちに比べると何とも微妙…
だからこそ予想的には面白いのですが、ひょっとしたら一筋縄では行かない可能性もありそうですね。

では各馬の臨戦主体の評価を

アーバンシック(⤵)C
人気を落としたG1馬のこわさはあるが、さすがにリズムが悪すぎるし、3歳ダービー以降が2200m以上でマイル資質も問われる当レースの適性も微妙。復活するとしても昨年1番人気を裏切った有馬記念か来年以降とみるのが妥当では。

エコロヴァルツ(⤵)D
大阪杯は負けて強しの4着だったが、その後のマイル2戦は切れ負け。とはいえG3の前走で3歳牝馬に捻られてしまうようではG1のここでは地力が足りない。2000mへの延長はいいとしても、これまでの実績通り、コーナー4つの小回り向き。

クイーンズウォーク(→)CB
新潟記念は競走除外だが、出走できていたとしても厳しい臨戦ではあった。新潟記念を走って軽く凡走していればガス抜きできて却って狙いやすかったが、競走除外で走っていない点がどう出るか。状態次第では取捨に迷うところだが、万全の状態であったとしても牡馬混合の最高峰のレースでは一枚落ちる印象。

コスモキュランダ(⤵)D
2歳に使い込んだ弊害か、古馬になっての成長力に物足りなさを感じる現状。復活するならベスト舞台の前走だったと思うし、東京2000mの最高峰のレースで通用するとは思えない。

シランケド(⤴)B
充実一途で底を見せていない現状。別定に変わった新潟記念も今後は秋天の前哨戦としてトレンドになり得る良いローテ。前走で下したエネルジコが菊花賞を楽勝したことで過剰に人気してしまうかもしれないが、この勢いは無視できず。常識的な見地から予想すると、デクラレーションオブウォー産駒の牝馬を秋天では買えないし、シランケドという馬名も天皇賞には相応しくない感じだが、それはまた別の話で。好走の可能性は十分。

ジャスティンパレス(⤵)C
宝塚記念は展開不向きの中で地力を示す3着だが、溜めに溜める奇襲に徹しても何とか3着(臨戦過程も良い上で)。前走好走したとはいえ1年ずつ僅かながらに衰えを感じるし、一昨年2着、昨年4着以上の走りができるかは微妙。臨戦過程も前2年に比べて良くはない。

セイウンハーデス(→)C
エプソムCは文句なしの強い内容だったが、絶好の臨戦過程だった上に展開も本馬好みで騎乗も完璧。半年振りで疲労の影響は考えなくても良さそうだが、前走で全てを出し切った後の一戦に良い印象はない。そもそもエプソムCからの直行というのも異端すぎて、陣営の意図はいったい?

ソールオリエンス(⤵)C
昨年2着した宝塚記念で今年は6着まで。近3走とも速い上がりは使えているように極端な衰えはなさそうだが、好走レンジが狭すぎてよほど恵まれないとG1での好走は難しそう。昨年の秋天は絶好枠に恵まれ、後方待機策を捨てて勝ちに行ったが結局は切れ負け。血統的には早熟と思えず、どこかで復活の可能性は残しつつも、それは今回ではないのでは。

タスティエーラ(→)A
3歳時の有馬記念以降ひと頃リズムを崩していたが、立て直された昨年の秋天で復活の2着。崩れたレースも有馬記念は菊花賞好走後の2走ボケ、大阪杯はあそこまで負ければ状態面に疑問、春の天皇賞は本質的には距離が長いのでは(同世代の菊花賞は何とかこなせたが、これも2着といっても完敗で)。2000mに照準を絞った近3走はワールドワイドな活躍振り。反動懸念のあった2走前の香港カップでロマンチックウォリアーの0.4差、前走でプログノーシスを完封。予定通りの休み明けならむしろ歓迎なタイプ。香港での強さは東京での強さに比例しない印象もあるのだが、そこは堀厩舎でモーリスも秋天制覇に香港も大好物だったので。

ブレイディヴェーグ(→)BC
新潟記念は不利な枠に阻まれる形で6着。着順は物足りないが、圧倒的に外有利のバイアスの中で最内枠から終始外に出せないままで酌量の余地あり。対照的に外目をスムーズに運んだシランケドと0.3差ならそこまで悪くはないのでは。安田記念も本命にしていた身としては物足りない4着に映ったが、先着を許した3頭が富士Sで3着独占の現役3強マイラーなら、今となっては悪くはない4着だったかも。府中牝馬以降、一度も3着がないというのは臨戦リズム的には大きな減点要素だが、常に人気先行型だった馬が大きく人気を落とすなら押さえても。

ホウオウビスケッツ(⤵)C
毎日王冠は臨戦過程が良くて2着に好走したが、自身の型にはめながら勝ち馬(レーベンスティール)には完敗。1番人気のサトノシャイニングを凌いだあたりは評価できるが、秋天においては前進要素の少ない臨戦。ただ、昨年の秋天も似たような状況から展開利があったとはいえ3着。決して東京がベストとも思えないが、マイペースであれば粘り強い。とはいえ昨年は相当ペースが遅かったし、メイショウタバル参戦となる今年は昨年のように行かない可能性の方が大きいと見ている。

マスカレードボール(⤴)A
枠や臨戦が悪くキャリア不足を露呈したホープフルSこそ大敗したが、その後の3戦は世代トップクラスを示すもの。皐月賞、ダービーという異なる条件で共に好走できるというのは余程の地力がないとできない偉業。どちらも勝てていない点は微妙だが、ダービーに関しては17番枠から勝ち馬を追い詰めた点を評価できる(3歳時のイクイノックスもその時点ではG1未勝利馬だったくらいで)。3歳のレベルが定まっていないといえ、今年の古馬勢ならまず好勝負だろうが、鞍上のルメールがG1連勝中という点がネック。いくらルメールでも菊花賞3連覇に続いて、秋のG1で3連勝は容易ではなく(確率論的にも)。その観点から頭を取りこぼしたとしても、上位争いは必至だろうが。

ミュージアムマイル(→)B
弥生賞は休み明け、ダービーは臨戦過程×。他レースでは一切崩れず安定感がある。ただ、東京実績がない点は懸念要素。3歳馬でまず好勝負になると思ったサートゥルナーリア(神戸新聞杯を楽勝して秋天に参戦)でも6着に敗れたし、皐月賞1着&ダービー2着だったイスラボニータ(セントライト記念1着から参戦)も3着までだった。マスカレードボールが東京ベターなのとは対照的に本馬は中山ベターな戦歴。今年の古馬の面々なら大崩れはないと思いつつ、最終的には人気も加味したい。

メイショウタバル(⤵)C
宝塚記念は強い内容だったが、本馬にとってG1で好走できるとしたらこの舞台しかないという絶好舞台かつ道悪にも恵まれた。臨戦的には前進要素がほぼなく、7番人気の前走から3番人気以内必至の今回は人気馬の中で軽視対象。

ロードデルレイ(⤴)A
昨年のアンドロメダSでデシエルトに完敗した時点でOPまでの馬と一時は判を下したが、その後に突如覚醒し、臨戦過程の良くなかった日経新春杯での完勝が見事としか言いようがなく。大阪杯も臨戦過程が良かったとはいえ不利な枠からバイアスに反して脚を伸ばし、宝塚記念は最悪の臨戦過程で戦前からまず来ないと確信を持てたくらいで8着もやむなし。今回は臨戦上昇、3戦無敗の東京替わりで後退要素なし。大阪杯はいわゆるG2レベルのG1だと思っているので、当時だけ走って通用するかの精査は必要だが、本馬自身は走れる条件が揃った。

 

今週は2場開催。ちょっと寂しいですが、その分、秋天の予想に没頭できそう。父親から5000円を託されて、「じゃあ2万にして返すね」と言ってしまったので何とか当てたいと思っとります。枠番発表もドキドキしますね。それもまた競馬の楽しみ。

 

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