阪神で行われる京都牝馬S
京都競馬場が改修の間、しばらくはこのややこしい状況が続くわけだけど、馬によってはこのコース替わりが奏功するケースもありそうだ。
今回それに該当するのが、ギルデッドミラー
およそ一年前のこの舞台で、1勝クラスを勝った時の走りが割と圧巻の内容だった。
たかだか1勝クラスと侮るなかれ、出走馬の中には現在オープンクラスまで出世したメイショウチタン、現3勝クラスのカワキタアジン、前年暮れの朝日杯G1で3着に激走していたグランレイらを子供扱いしたのだからたいしたもんだろう。
だからといって早熟というわけではない。兄のストロングタイタン、ミラアイトーンといったあたりも、早期から素質の高さを覗かせながら高齢になってもしぶとく動けていたし、少なくとも4歳になったばかりのオルフェーヴル産駒の本馬の旬はこれから。
その割に世代限定の重賞以外で結果の出ていない近3走は?となるが、これらはいずれも明確な敗因がある。
3走前の中京記念(6着)は18番人気のメイケイダイハードが大波乱を巻き起こしたレースだが、ある意味その立役者となってしまったのが1番人気の本馬であった。
3歳牝馬なら本来は同世代の馬たちと駆けているはずのまだ7月時分この時期に古馬(しかも牡馬)との対峙。
スプリント路線を選択した馬以外でこのような使い方をされた馬が過去に何頭いたろうか?というぐらいのレアなローテ。
そんなレアなローテを組まれた上に1番人気の支持を集めてしまったことで、積極的に勝ちにいく競馬を求められ、完全に後方で息をひそめる古馬の標的となってしまった。
勝ったメイケイダイハードの通過順が11-7、2着ラセットが16-17、3着エントシャイデンが12-12という完全な差し決着の中で本馬の位置取りは3-4。
間の悪いことに、かつて本馬の手綱をとり、その能力をよく分かっている福永騎手操るミッキーブリランテが早仕掛けとも思える捲りをかましてきたからたまらない。
福永騎手も仕掛けが早かったとレース後に認めたミッキーブリランテ自身も5着に敗れ、その先を進んでいた本馬がそれと首差の6着なら、人気を裏切ったとはいえ能力は十分に示した一戦だったといえるだろう。
ちなみにこの大波乱のレースであったが、2着ラセットがポートアイランドS3着、3着エントシャイデンが京都金杯3着、4着ケイアイノーティックが富士S3着、5着ミッキーブリランテがニューイヤーS1着とこの後軒並み活躍しているので、結果としてハイレベルの一戦だったことも判明した。
それでは、その後の2戦で全く結果の出ていない本馬は…
未成熟なうら若き乙女がこの時期に屈強な牡馬にぶつけられ、精神的なダメージを負ってしまった…という説も繊細なオルフェーヴル産駒ならあながちないとは言えないだろう。
ただ、2走前の信越Sに関しては、この馬には軽すぎる条件だったし、レース質自体も前と内しか勝負にならないバイアス。さらに外枠の不運。これは度外視可能な一戦。
前走のリゲルSも再び大外枠の憂き目。かつレースもスロー、これまた前と内しか勝負にならぬ状況。完全な上がり勝負となり、本馬自身も限界に近い34.1の上がりは使っているのだから能力負けというよりは他の要素が大きく影響しての敗戦と言えるだろう。ここで後塵を拝したブランノワール、イベリスとの勝負付けは当然ながら付いてはいない。
気性の危うさが前進気勢の強さにも繋がっているだけに現状、距離は1400mがベスト。前走が最悪の条件下だったので臨戦過程も↗︎
デビュー2戦目(サフラン賞)以来、久々の同性同士の戦いに挑むに当たり、これまで歴戦の古牡馬相手に培ってきた経験は大きい。その同性同士のサフラン賞ですら、先着を許した2頭はマルターズディオサにマジックキャッスルという世代屈指の実力馬だったのだから、結果として相手が強かったというレースへの参戦も多かった。
大敗続きながら相変わらず人気が先行してしまう点だけが玉に瑕だが、3歳春の規定路線である桜花賞には目もくれず、NHKマイルに出走し、以後もマイル路線にこだわったのは、今春のヴィクトリアマイルを見据えていたからでは?
しかしこのままでは、その目標レースへの出走すらおぼつかない状況だけに、ここは勝負度合いも高い一戦とみた。
毎度力を発揮できるタイプではないようにも映るが、レース内容を振り返れば大敗したレースにはいずれも明確な敗因あり。
それでいて能力を発揮できた時にはG1でも上位争いできる力を持ち合わせている。今回はその力をいかんなく発揮できる舞台と見て本命視。
1番人気は勘弁だけど、周りのメンツを見渡すとおそらく今回も人気になってしまうかな…
だとすれば、そこまで必至こいて買いたいというほどのこともなくなるけど。
あと2戦連続外枠で大敗しているので内目の枠は是が非でも欲しいところだね。
さて、妙味ベースで考えれば、他にも面白そうな馬はいる。
今回と同舞台の阪神カップで、G1連対経験のある5頭に次ぐ6着に善戦したイベリス
ダノンファンタジー(阪神JF)、マルターズディオサ(阪神JF2着)、インディチャンプ(安田記念、マイルCS)、サウンドキアラ(VM2着)、クリノガウディー(朝日杯FS2着)→イベリス
このレース、勝ったダノンファンタジーこそ、最高の臨戦過程と最高の騎乗で抜けていたけど、2着以下はクビ、クビ、クビ、アタマ差の大接戦で、イベリスもその中に含まれていた。
マイペースの逃げが叶ったとはいえ、これは大健闘と言っていいし、この中間の調整過程からも更なる上昇がうかがえる。
思えば本馬もギルデッドミラー同様に、桜花賞には目もくれず、アーリントンCからNHKマイルに駒を進めていた馬。アーリントンCではギルデッドミラーがなしえなかった牡馬斬りも達成。
早期から活躍してはいるが、同じような道程を辿る姉のベルカントが4歳、5歳と重賞タイトルを積み上げているし、本馬も決して早熟ではないだろう。
逃げる形が理想とはいえ、逃げなければダメな馬ではないし、意外にも人気がないようなら(いやでも普通に考えたら人気だろうなぁ)面白そうな存在。
シャインガーネットやビッグクインバイオも悪くはないけど、関東馬なので軸候補としては一枚落ちるか。それに最近、豊さんの馬を軸にするのはちとこわい。
穴ならアンリミット。前走ダート、2走前鼻出血、それ以前の走りから、このメンバーならそこまで見劣る感じもしない。
というわけで、当初は人気を意識せずに検討するので、ギルデッドミラーのことを頑張って書いてみたけど、どうやら1番人気になりそうな状況で、となると馬券的にはどうかなぁ…という感じに落ち着きそうな京都牝馬Sの検討はひとまずここまでにしてと。
まだ、フェブラリーSに小倉大賞典の予想もあるし、明日からは想定も出るからね。
今宵はこの辺で。
平日限定特別戦狙い馬
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー(中央競馬のみ)でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との2人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。