大阪杯からの臨戦は本来なら絶好なはずなのに、過去20年において安田記念で好走できたのは3頭だけ。特にG1昇格後は壊滅的で、1番人気に推されたスワーヴリチャードが何とか3着という状況。
私自身もこの臨戦はいいと思っていたので、過去にもイスラボニータ、ステファノス、ダノンキングリーらを上位評価した記憶があるが、全く通用しなかった。そのたびに首をかしげてきたのだが、今年も絶好臨戦の馬が2頭、シックスペンスとエコロヴァルツが参戦してきた。
とはいえ安直にこのいずれかを本命にしてしまうと、過去の二の舞、三の舞になりかねないので、過去の馬たちがどうして走れなかったのかを後付けながらも検証し、今年の2頭はどうなのか？というのを考えてみた。
安田記念 過去20年
【G2時代の前走大阪杯組 0-2-1-4】
2番人気2着 ディープスカイ
NHKマイルC、ダービーを含む重賞4勝。前年の秋天3着、JC2着と圧倒的な地力かつマイル適性あり。前走大阪杯1番人気2着からの参戦。2着でも勝ち馬がウオッカなら力は見せた。
5番人気6着 ダークシャドウ
大阪杯3番人気5着からの参戦。前年のエプソムC、毎日王冠を制し、秋天4着、JC4着とG1でも好走ラインに位置していたが、デビュー戦から2000mだったような馬で、どちらかといえば中長距離馬。初マイルでもあったし、6着ならば健闘の部類。
3番人気2着 ショウナンマイティ
大阪杯2番人気2着からの参戦。大阪杯では王者オルフェーヴルを0.1差まで追い詰めてエイシンフラッシュには先着と充実振りが著しかった。初マイルだったが、重賞で32秒台の上がりを駆使して好走歴のある切れ者。重賞で毎度のように上がり上位を使える馬なら東京替わりが奏功する例。
10番人気3着 ショウナンマイティ
大阪杯4番人気5着からの参戦。前年の2着馬だが、その安田記念以降は調子を崩し人気を落としていた。ただ、前年にはロードカナロアをタイム差なしまで追い詰めたほどの馬。リピーターは前走大阪杯組に限らず要警戒。
4番人気5着 イスラボニータ
大阪杯7番人気5着からの参戦。大阪杯の前の中山記念も9着に敗れており、調子を落としていた可能性。皐月賞馬にしてダービー、秋天でも好走していたように地力は上位だが、近走（近2走）不振の馬は、後年のサリオスやステルヴィオのように期待ほど走れていない。
【G1昇格の前走大阪杯組 0-0-1-14】
4番人気7着 ステファノス
大阪杯を人気薄で好走（2着）した後の参戦。安田記念では逆に人気が上がってそもそも買いにくい。臨戦的にも良くはない。
5番人気15着 アンビシャス
大阪杯5番人気5着からの臨戦。前年の毎日王冠2着、秋天4着と力も上だったが、安田記念では全く力を発揮できず。ただ、マイル戦がデビュー2戦目以来だったし、前走の大阪杯が4角13番手ということで、マイルに対応するにはもう少し前進気勢が欲しかった。
1番人気3着 スワーヴリチャード
大阪杯をひと捲りで押し切ってのマイル参戦。大阪杯の勝ち方がいいとは言えなかったし、初マイルを思えば十分走った部類。
2番人気6着 ペルシアンナイト
大阪杯を人気薄で好走（2着）した後の臨戦。安田記念では逆に人気が上がってそもそも買いにくい。臨戦的にも良くはない。
5番人気8着 ステルヴィオ
大阪杯は6番人気14着と大敗。前年のマイルCSの覇者ではあったが、少々リズムを崩していた感（その前の中山記念は3着）。この年の安田記念は、出遅れたアーモンドアイが3着に取りこぼしたが、それ以上に出遅れていたのが本馬。上がりは32.8を使っていたし、まともならもう少し走れていたはず。
5番人気7着 ダノンキングリー
大阪杯はスローで逃げながら3着だが上位2頭には完敗。翌年の安田記念を勝つくらいでマイル適性はあったが、この年は前走がスローだった分距離に戸惑ったかと。上位を占めたのがグランアレグリア、アーモンドアイ、インディチャンプでマイル戦線が最も強い時期でもあった。
3番人気8着 サリオス
大阪杯3番人気5着からの臨戦。翌年の安田記念では人気薄で3着に好走するぐらいだから適性はあったはずだが、この年は最内枠が災いしたし、ダノンキングリー、グランアレグリア、シュネルマイスター、インディチャンプと相手も強力。好走するには上がり33秒前後の上がりが必要で、本馬にはその適性はなかった。地力は上でも瞬発力勝負に弱い馬は微妙。
5番人気5着 ジャックドール
大阪杯2番人気1着からの参戦。大阪杯を好臨戦で制してからの参戦で臨戦面の上積みがなかった上に、マイル適性も疑問だった馬。マイルに対応する切れがないことはそれ以前の戦歴からも窺い知れた。
【2025年の該当馬】
シックスセンス
大阪杯1番人気7着からの参戦。大阪杯を人気で凡走しての臨戦は悪くない。2走前には勝ち切っている。近走不振ながら過去の実績で人気に推されて凡走したイスラボニータ、サリオス、ステファノスとは違う印象。デビュー2戦がマイルを連勝。距離適性もある（適性云々言えないほどペースが遅く、相手も弱くはあったが…）。どちらかといえば小回りで競馬のうまさを生かすタイプだけに、究極の上がり勝負になった時に切れ負けの懸念はあるが、普通に買える馬だと思う。ただ、G1実績皆無なのに2番人気以内必至というのは何とも微妙。
エコロヴァルツ
大阪杯10番人気4着からの参戦。重賞未勝利馬。過去に大阪杯から参戦したどの馬よりも実績面では見劣る印象。その上、マイル実績は超ハイペースで流れの向いた朝日杯だけ。あのレースで好走したことが東京マイル適性の裏付けにはならなそう。共同通信杯は臨戦過程は良くなかったにせよ切れ負けしているし、ベストはO型コース。ファーストインプレッションでは魅力的な穴候補だったが、過去の大阪杯からの参戦馬になぞらえると、これは凡走パターンかなぁと。
さて、今日は追い切り。今週末は天気に悩まされることもなさそうなので、引き続き予想を楽しんで行きましょう。
特別登録の注目馬３（前走凡走で人気を落とせば狙い目あり。1頭強そうな馬はいますが）
1970年代生まれ。生粋のギャンブラー（中央競馬のみ）でありながら、自然散策や温泉、寺社仏閣巡りなど一見すると相反するような殊勝な趣味を持ち、毎週のように出かけているので馬券は旅先で買うことが多くなっている。便利な現代に感謝。ほか、三国志や中韓歴史ドラマをこよなく愛し、中国4000年の歴史を持つ気功や太極拳などもかじっている。実生活では愛猫との２人暮らし。セミリタイアを夢に、競馬だけでなく、株式投資やFX、せどりなどいろんな金稼ぎには大いに興味あり。このブログもアフィリエイトやGoogleアドセンスを始めるきっかけとして立ち上げた。