競馬

2019 ジャパンC 枠順前見解

気乗りはしないが(積極的に買いたい馬がいないという意味で)、せっかくブログを立ち上げたのでジャパンCを考察しよう。

このような歴史あるビッグレースは過去データの蓄積も多く、データを切り口に取り掛かる。中でも私が重視するのはローテ面。過去10年(それ以上前から)前走で天皇賞(秋)を使ってきた馬が断然幅をきかせている。決して前哨戦ではないのだが、JRAが王道規定路線として定めている以上、こうなるのは自然な流れであろう。

過去10年で唯一この組が馬券にならなかった2016年は、リアルスティールとルージュバックの2頭のみの参戦。休み明けの天皇賞(秋)を7番人気2着と激走した(してしまった)リアルスティールをここで後追いで買うのは無策だし、非根幹距離馬のキャラを確立していた牝馬のルージュバックをこの牡馬混合のビッグレースで期待するのもまた酷であった。よって、このような例外的な年でなければまず天皇賞(秋)を使った組が絡むと思っていい。

今年の天皇賞組は、ユーキャンスマイル、ワグネリアン、スワーヴリチャード、マカヒキの4頭だが、いずれも先に挙げた2頭のような無理筋なローテではなく、この中から馬券になる馬が出ると決め打ちしてしまった方が軸選びとしては手っ取り早い。失礼ながら完全に引退時期を逸してしまった感のあるマカヒキはオミットしているので、3分の1の確率。当てずっぽうに選んでも3割超の確率で軸は当たるのだ(?)

ユーキャンスマイル

この馬はブログでもデビュー当初から評価していた馬だが、よもやこの大舞台で人気するほどまでに登り詰めるとは思いもかけず、ようここまで来たなぁと感慨深いものがある。が、馬券において私情は挟めない。いまが充実期であることは確かだし、天皇賞(秋)組では最先着、上がり3Fの能力にも長けてはいるのだが、保有するタイトルはダイヤモンドS(と菊花賞3着)のみ。この格式高い舞台で人気で買うには心許ない実績で、本来こうした馬は穴でこそ妙味があるというもの。実際、私は7番人気だった前走時には高い評価を与えたが、それは臨戦過程も悪くなかったし、ここまで軽んじられているのならと妙味込みでの思惑もあった。ダノンプレミアムのマイルCSの見解で、2着と激走した後だけに1番人気で買う理由はないと記したが、この馬の4着はダノンプレミアムが2着したことに匹敵する激走であった可能性もある。勢いを重視するか、激走の反動を危惧するか迷うところではあるが、G1実績のない馬がたった一度の好走で人気に祭り上げられるなら、軽視するのが馬券のセオリーと考える。

ワグネリアン

今年の3戦はいずれも明確な理由がある。休み明けの宝塚記念、落鉄があった札幌記念、枠の不利が明確だった天皇賞(秋)。大崩れがないだけにもどかしさは感じるが、よく走っているとの見方もできる。そして今回は狙いすました叩き2戦目、2戦2勝の距離もよく、一見前進要素しかないようにも映る。ただし、この馬も確実に人気になるだろう。どんな理由があれ、過去3走で連対すらできていない馬を人気で信頼していいものなのか。これまたダノンプレミアムの見解時の引用となるが、ダノンのピークが2歳時なのではないかと記載したように、ワグネリアンのピークも3歳春で、現状はその惰性で何とか上位争いをしているようにも思えなくもない。そもそもダービーにしても、見えざる力でも働いたかのように福永騎手の悲願の立役者にはなったが、ワンアンドオンリーを例に出すまでもなく、ダービーだけはそうしたオカルトじみたドラマが展開されるのだ。よってダービーを勝ったからといってこの世代で抜けていたわけでもないし、ディープ産駒のピークがクラシックにあることを思えば手放しで推奨できない。今回は臨戦過程がいいことと3歳時からの惰性の力がまだ通用するメンバー構成であることが評価を悩ませるが、1~2番人気に支持されるとしたら軸としてはどうかなといったところ。

スワーヴリチャード

昨年の大阪杯での圧巻の走りを見た時は、しばらくこの馬の栄華が続くものだと思ったが、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」と思わず詠いたくなってしまうほどの短期政権であった。これが厩舎力によるものなのか、そもそも大阪杯というG1自体がG2程度の位置付けのものなのか、もしくは安田記念を勝ってスピード能力をも示し、種牡馬としての価値を上げようと参戦したあの一戦が歯車を狂わせたのか…。もはや今となっては定かではないが、いずれにせよ去年の秋から並の強い馬に成り下がってしまった感は否めない。しかしながら、昨年のJCはハイペースなのに前が残る特殊な展開を3着とこの舞台の適性は示したし、休み明けの中山記念や初海外遠征となったドバイの敗戦も言い訳のきくもの。宝塚記念は海外遠征明けながら、この馬の適性とはズレていると思われる条件で3着なのだから、そこまで悲観するものではないだろう。前走の天皇賞(秋)に関しては少々物足りなかったことは確かだが、2000mという距離でのレコード決着は今のこの馬には時計が速すぎた印象。だからこそ、1~3着まではスピード色の強い馬が独占したとも言え、4着のユーキャンスマイルとの0.3秒差は舞台が変わって乗り方次第で毎度のように入れ替わる着差であろう。今回取り上げた3頭の中で初めから最もJCを意識していたのはこの馬だと思われる。ユーキャンは力試しの感があったし、ワグネリアンは本来2000mがベターとも思えるからだ。さらに本馬は生涯2戦続けての馬券外はない。前走の大敗を糧にしっかり巻き返してくる馬なのだ。中間の追い切りを見ても坂路オンリーという点がどう出るかだが、陣営が馬の気持ちを引き出す工夫をこらしていることは明確で、これが吉と出れば…だが。

 

天皇賞(秋)組まとめ

長くなってきたのでまとめよう。文面を読んでもらえれば分かると思うが、この組で最も評価するのは、スワーヴリチャード。それからワグネリアン、ユーキャンスマイルの順。なんならユーキャンは軽視寄りだ。

よって、水曜時点でスワーヴが内枠に入れば軸かなぁとも思うが、天皇賞(秋)組以外にも有力馬が2頭いるので、場合によってはそちらを軸にして、天皇賞(秋)組と絡ませるといった手法を取るかもしれない。いずれにせよ、枠順の比重の大きなレースなので、まずは明日の枠順が出てから再考したい。本日はここまで。

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